【ヘルスケア情報】男性の更年期障害・LOH症候群男の更年期?

テストステロンの低下→LOH症候群?

監 修:
順天堂大学浦安病院泌尿器科教授
辻村 晃 先生

男性更年期障害とLOH症候群
  • 男性更年期障害

    女性の更年期障害はよく知られていますが、男性でも加齢に伴って50歳ころからホルモン分泌の低下(女性ではエストロゲン、男性ではテストステロン)、身体機能の低下等により更年期障害がおきます。

    男性更年期障害

  • LOH症候群

    テストステロンの分泌低下による更年期症状をLOH症候群といいます。テストステロンは様々な作用を有しており、その欠乏により更年期症状以外の様々な症状を引き起こします。 また、更年期障害、LOH症候群ともにうつ症状を発症することが多く、いわゆる「うつ病」との鑑別が重要です。

    LOH症候群

テストステロンとLOH症候群

テストステロンレベルは年齢とともに大きく変化しますが、生涯にわたって身体機能の発達・維持に多様な作用を発揮します。

テストステロン・レベルの年齢推移とはたらき

テストステロン・レベルの年齢推移とはたらき

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LOH症候群は更年期症状として自覚されますが、それ以外に多くの症状を呈します。これらはメタボリックシンドローム、認知症、骨粗鬆症につながるものです。特にメタボリックシンドロームとの関連が強いといわれています。LOH症候群の病態の全体像および治療の重要性を次の項目で説明します。

テストステロン低下に伴う徴候及び症状

  • リビドー(性欲)と勃起能の低下
    夜間睡眠時勃起の減少
  • 知的活動、認知力、見当識の低下および疲労感、抑うつ、短気などに伴う気分変調
  • 睡眠障害
  • 筋肉量と筋力低下による除脂肪体重の減少
  • 内臓脂肪の増加
  • 体毛と皮膚の変化
  • 骨減少症と骨粗鬆症に伴う骨塩量の低下と骨折のリスク増加

低テストステロンとメタボリック因子の関連性

  • 低テストステロンとメタボリック因子の関連性
  • 低テストステロン

    糖代謝異常、インスリン抵抗性上昇、脂質代謝異常
    高トリグリセリド、低 HDL-C、高血圧、心疾患
    動脈硬化、肥満、過体重、BMIの増加

    メタボリックシンドローム

テストステロンの多様な作用とLOH症候群の病態の全体像
現状 テストステロンの低下によるLOH症候群は高齢化と生活習慣の変化(主に身体活動の低下)により世界的に急増しています。 日本での正確な発症率は不明ですが、患者数はおよそ600万人ともいわれています。
しかも、そのほとんどは診断も治療もされていないと考えられています。 治療の重要性 先に紹介したようにLOH症候群は更年期症状以外に様々な症状を呈します。
これはテストステロンが全身の多くの臓器・組織で多様な作用を発揮しているためです。 そのためテストステロンの低下により、多様な変化(多くは高齢のためと考えている)が起き、最終的に多くの疾患に繋がっていきます。したがって、LOH症候群の治療は単に更年期症状を治療するというだけでなく、メタボリックシンドローム、認知症、骨粗鬆症、フレイル等々の予防の観点からも非常に重要です。 テストステロンの標的臓器と生理作用 以下の表のようにテストステロンは全身の多くの部位で、多彩な重要な生理作用を発揮しています。従って、テストステロンが低下すればおのずとそれらの作用が低下し、身体機能が低下し、重度な場合には疾病に繋がっていきます。
作用部分 生理作用
性欲、攻撃性維持、精神・神経機能の調整
筋力の維持
骨量の増加
腎臓 エリスロポエチンの産生を刺激し、赤血球を増やす
骨髄 血液幹細胞を刺激
皮膚 毛髪の育成、頭禿、皮脂の産生
肝臓 血清アルブミンの産生
男性生殖器 陰茎の発育、造精機能、前立腺機能の維持
LOH症候群の病態の全体像および関連する疾患 更年期障害を含めたLOH症候群の全体像を関連する疾患を含め下の図に示します。テストステロンの低下は多くの臓器・組織で機能低下・異常を引き起こし、メタボリックシンドローム等の多くの疾患につながっていきます。
したがって、これら疾患の予防の観点からもLOH症候群の治療は非常に重要です。
LOH症候群の病態の全体像および関連する疾患

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