大東製薬工業株式会社

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薬剤性のED?

2008年01月14日

8年間、セパゾンとドグマチールを使用してきましたが、ここに来てEDになりかけ泌尿器科にいったところ遊離テストステロン6.2プロラクチンが40という結果になりました。レビトラは効果があります。
先生は3ヶ月ぐらい様子を見ましょうと言っていますが、元にもどるのでしょうか?セパゾンも変えたほうが良いのでしょうか?(男性 35~44歳)

 


 

お客様に対する診断や処置のコメントが関係法令等の事情から出来ませんので、あくまで学術情報による一般論としてご回答申し上げますことを、あらかじめご了承下さいませ。

先ず、ドグマチールの中止でEDが改善する症例報告がございます。

文献によりますと、ドグマチールの有効成分「スルピリド」につきましては、30~90日の長期投与により性機能障害(性欲低下とED)の症例(8症例)があり、本剤の投与を中止してから改善するまでの期間が30日~約6ヶ月と、比較的長くなるという特徴が指摘されています。

症例報告数が少ないうえ、改善までの期間が30日から約6ヶ月と幅広く、長くなる状況が報告されていますので、主治医の先生は、お客様の気持ちに応えて直ちに治したいとは思いつつ、レビトラで急場をしのげるのであれば、お客様をリラックスさせたい気持ちと共に、かといって過剰な不安や過大な期待も与えないようにすべき、と総合的に考えた結果、「3ヶ月ぐらい様子を見ましょう」と仰ったのかも知れません。

遊離テストステロンとプロラクチンの検査結果につきましては、下記の基準値をご参照下さいませ。なお、厳密に申しますと、検査会社や測定方法により測定値が若干、異なる場合もございますので、診断はあくまで主治医にお尋ね下さいませ。

 

◆ 遊離テストステロン基準値
男性 30~39歳: 7.6~23.1pg/mL
男性 40~49歳: 7.7~21.6pg/mL
参照: 三菱化学メディエンス社資料

 

◆ ED診療ガイドライン(日本泌尿器科学会推薦・日本性機能学会/ED診療ガイドライン作成委員会編集)における遊離テストステロン値

低値: 8.5pg/mL未満
境界域: 8.5以上11.8pg/mL未満
正常値: 11.8pg/mL以上

 

◆ プロラクチン(PRL)基準値
男性: 3.58~12.78ng/mL
参照: 三菱化学メディエンス社資料

 

ここで、ドグマチールの添付文書情報によりますと、注意事項としてプロラクチン値上昇の記載があります。
また、専門書によりますと、高プロラクチン血症が結果的にテストステロン産生を低下させて、その結果、性欲、勃起、射精等の性機能や造精機能に障害が起こる事が考えられる、という指摘があります。
主治医の先生が、ドグマチールの投与中止とレビトラの処方を考慮したのは、以上を踏まえたものかも知れません。

なお、セパゾンの添付文書の副作用情報によりますと、0.1~1%未満の頻度で性欲減退の記載はありますが、頻度が稀であるうえ、EDの記載はありませんし、弊社の手元にある専門書を見る限り、セパゾン(有効成分:クロキサゾラム)による薬剤性EDの指摘はありません。また、専門書によりますと、そもそも抗不安薬(マイナートランキライザー)はバイアグラが登場する以前には、心因性EDの治療で使用されることがあったようです。

それから、同時に複数の薬剤を他のものへ変更しますと、不測の問題が生じた時に原因を特定できず、問題を複雑化させてしまいます。

「急がば回れ」という事もございます。一刻も早く回復させたい、というお客様の切実なお気持ちにお応えするためにも、一つずつ状況を確認しながら着実に処置することで確実に回復させたい、という主治医の配慮があるかと存じます。ここは安心して主治医のご判断に託してみてはいかがでしょうか。