大東製薬工業株式会社

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タグ:女性ホルモン

  • 「ヒメロス」「バストミン」を男性が使うと?

    2022年05月23日

    ヒメロス」や「バストミン」を男性が使うと? (性別・年齢不詳)


     

    ■ 作用とリスクについて

    一般論としては、男性に対する女性ホルモンの投与にともなう女性化の一つとして、例えば、乳房が膨らみ乳首が敏感になる等の可能性は考えられます。

    一方、男性機能の退化として男性器(陰茎・睾丸)の萎縮・縮小や、ED(勃起不全)をはじめとする性機能障害が考えられます。

    ご自身の頭髪脱毛を、男性ホルモンの影響と考えている男性から、頭髪脱毛を防ぐ目的でご質問いただくことがあります。頭髪への影響につきましては、客観データをはじめ経験的な事実が無く、またヒメロスとバストミンには頭髪に関連する効能が無く、検討した経緯も無いため、申し上げられません。

    女性ホルモン剤の投与を中止したとき、元の状態に戻るかは不明です。仮に戻れたとしても、回復の程度や所要期間は個人差が大きくなるものと考えております。

    私どもは、このような使用目的を企図する弊社製品のご使用を倫理的に決してお勧め致しません。また、不測の有害事象に対する補償の対象外となり、国の副作用救済制度も対象外になるかと存じますので、ご了承をお願い致します。

    いずれにしても、ヒメロスとバストミンは女性のホルモン不足を補充するための医薬品であり、男性向けの効能・効果は承認されていませんので、お答えすることは出来ず、お勧め致しません。

     

    ■ ご自身の性別に違和感がある方へ

    ご自身の性別に違和感がある方は、弊社製品に限らず性ホルモン剤を自己判断で使用しないで下さい。先ずは、GID学会の認定医をはじめ、GID外来やGID診療を標榜している病院・クリニックを受診のうえ医師にご相談いただき、診断やカウンセリングを踏まえ、適切な治療を受けることを、強くお勧め申し上げます。

     

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  • 「ヒメロス」「バストミン」と併用できない医薬品・食品について

    2014年02月28日

    ヒメロス」と「バストミン」の添付文書(平成26年/2014年 2月改訂版)において、次の医薬品・含有食品との併用を禁止していますが、その理由について次の通りご説明いたします。

     

    ■ 他の女性ホルモン剤
    ヒメロスバストミンの同時併用をはじめ、他社の女性ホルモン含有医薬品、ピルなどの同時併用は、女性ホルモンの過剰投与にともなう不測の有害事象が懸念されます。

    リファンピシン
    結核やハンセン病の治療に使われる薬剤の成分。 肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用にともない、様々な薬剤との相互作用が指摘されていますが、これらの中に卵胞ホルモン剤の指摘もあることから、市販薬として万全を期すため併用しないように記しています。

    簡単に記しますと、リファンピシンが肝臓で薬物を代謝する酵素を増やすので、併用した他の薬剤の代謝が本来よりも進んでしまい、結果的に併用した薬剤の効果が減弱する恐れがあります。

    ■ 抗てんかん剤
    抗てんかん剤(フェノバルビタールフェニトインカルバマゼピンなど)は、肝臓で薬物代謝酵素(シトクロムP‑450)を誘導すると言われていますが、これにより併用した卵胞ホルモン剤の代謝を促進するため、効果が減弱する恐れがあると言われています。

    ■ HIV逆転写酵素阻害剤
    非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤のうち、ネビラピンではエチニルエストラジオールのAUCが減少して、作用が減弱する恐れがあると言われています。

    一方では、エトラビリンであると、代謝酵素(CYP2C9)を阻害すると言われているため、卵胞ホルモン剤の血中濃度が本来よりも下がらず、結果的に作用を強める恐れがあります。

    ステロイドホルモン
    ステロイドホルモンは、副腎皮質ホルモン、男性ホルモン、卵胞ホルモン、黄体ホルモンの総称ですが、肝臓の薬物代謝酵素(シトクロムP‑450)はステロイドホルモンの生合成にも関係しているため、併用により不測の影響が懸念されることから、市販薬として万全を期すため併用しないように記しています。 先述した「他の女性ホルモン剤」と重複することをご了承ください。

    ■ プロテアーゼ阻害剤リトナビル製剤)
    肝薬物代謝酵素を誘導するため、エチニルエストラジオールの血中濃度が減少して、効果が減弱する恐れがあると言われています。

    ■ セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
    セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)は、肝臓の薬物代謝酵素(シトクロムP‑450CYP3A4)を誘導するため、様々な薬物の効果を減弱させてしまうことが知られていますが、卵胞ホルモン剤もそうなる恐れがあるため、記載しています。

    イプリフラボン
    イプリフラボンは骨粗鬆症の改善薬ですが、卵巣摘出動物にエストロンと本剤を併用投与した場合、エストロンのエストロゲン作用が増加するとの報告があり、エストロゲンの作用を増強させると言われています。 その結果、ヒメロスバストミン作用を強める恐れがあるため、記載しています。

    グレープフルーツジュース
    グレープフルーツ中のフラノクマリン類が、肝臓の薬物代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると言われていますが、グレープフルーツと共に投与した薬剤が肝臓で代謝されず、本来よりも高い血中濃度が続くため、効果が増強される恐れがあります。

     

    (さらに…)

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  • ヒメロスとイソフラボンのようなサプリメントの併用は?

    2007年01月18日

    ヒメロスとイソフラボンのような女性ホルモン様サプリメントを併用しても大丈夫ですか?(35~44才・女性)

     


     

    万全を期す立場から、弊社は併用を積極的にはお勧め致しません。

    ただし、更年期障害の全身的な症状にサプリメントで対応し、さらに陰部の症状を局所的に改善する意図で少量ずつ弊社製品を一時的に併用する程度であれば、差し支えないものと存じます。

     

    なお、近年は一部のサプリメントでは女性ホルモン補充療法との併用に問題ないとするメーカーもあります。そのため、併用をお考えの際は当該サプリメントのメーカーにご確認くださいますよう、お願い申し上げます。

     

    【 補足のご説明 】

     

    サプリメントの種類や摂取量にもよりますが、いずれにせよ、弊社の知る限り「絶対に大丈夫」と保証する事実はございません。摂取量が多過ぎれば女性ホルモンの過剰摂取にともなう不測のリスクが懸念されます。

     

    そもそも、サプリメントで満足できる結果が得られているのであれば、敢えてヒメロスを併用する必要はございませんし、逆にサプリメントでの効果が不十分で、ヒメロスによる女性ホルモンの補充をお考えの場合には、ヒメロスで十分な女性ホルモンの補充が出来るはずですから、ヒメロスをご使用中の間は、過剰摂取によるリスク回避と経済性の観点からサプリメントを中止するのが合理的と存じます。

     

    なお、女性ホルモン様サプリメントは多種多様にあり、なかなか単純明快にご説明できず申し訳ございませんが、その一端を次の通りご説明申し上げます。

    先ず、「女性ホルモン様サプリメント」とは、植物からいわゆる「植物性エストロゲン」と呼ばれる物質を抽出したサプリメントと存じますが、植物性エストロゲンの中には、ご指摘のイソフラボンのほか様々な物質が知られています。

    そして、これら様々な植物性エストロゲンは、それぞれ活性や作用が異なりますから、そのため正確を期すほど一概に言えなくなってしまうのが実情です。更にはイソフラボンと申しましても、その中には様々な種類の物質があり、厳密に言えば、それぞれ活性や特徴が異なります。

    「植物性エストロゲンは一般的な食物に含まれるものだから、安全。」というイメージを持つ方がいらっしゃいますが、これはあくまで大量摂取をしない範囲での事です。かと言って、特定の食材が危ないと申し上げる意図は全くございません。塩や砂糖をはじめ、穀物や肉、魚介類、野菜と、いかなる一般的な食材でも極端な過剰摂取を続ければ健康に何らかの悪影響を及ぼす恐れがあるもので、偏りのないバランスのとれた食事が最善であることはご了解いただけるかと存じます。

    「体に良いから」と毎日何kgもの豆腐や納豆を何年も食べ続ける、といった極端な大量摂取をしたり、サプリメントのような濃縮物で女性ホルモン様物質を大量摂取をすれば、自ずと女性ホルモンの過剰投与と同様のリスクを負う懸念があると考えます。実際、海外では濃縮物(サプリメント類)の大量摂取により乳がんのリスクが高まるという指摘があるようです。

     

    そのため、国(内閣府)の食品に対する中立的な評価機関である「食品安全委員会」は、厚生労働省の依頼を受け大豆イソフラボンの一日摂取目安量の上限を検討して、定めています(詳細は下記をご参照ください)。「目安量の上限」と、いかにも行政的な言い回しですが、杓子定規にこの値を一瞬でも超えたら大変なことになるわけでもなく、かと言って長期間にわたり上限値を超える摂取を続けるのは避けましょう、というニュアンスだと思います。

    大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
    (内閣府食品安全委員会)
    (最も公的で中立性・信頼性の高い情報と思います。)

     

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  • ヒメロスの副作用について

    2006年10月28日

    ヒメロスの主な副作用について教えてください。 (性別・年齢不詳)

     


     

    ヒメロスでは、市場導入後の約40年間で、重篤な副作用の事例を経験しておらず、また、この10年の間でも軽度な副作用(痒みなど)について数件のお問い合わせをいただいた事はありますが、医療機関の受診を要するほどの事例は経験しておりません。

    なお、本剤の有効成分を含む医療用の薬剤における副作用情報にもとづき想定される最悪のケースと、その対応につきまして、次の通りご案内致します。

     

    (1) 乳がん、子宮がん、卵巣がん

    高用量な医療用の薬剤で、エストロゲンを長期間にわたり連続使用した場合に、これらの悪性腫瘍のリスクが高まると言われております。
    また、既にこれらの悪性腫瘍に罹患している場合は、女性ホルモン剤の使用で病状を進行させる恐れがあります。
    一方、本剤のような低用量で、かつ3ヶ月以内の短期投与によって、これらの悪性腫瘍を発症したという報告はございませんし、弊社製品は過去40年間でそのような事例を経験していません。

    以上より、次の事項をご注意ください。

    ① 本剤を初めてご使用する前には、これらのがん検診をお願い致します。既にこれらの腫瘍に罹患している人、恐れのある人は本剤を使用しないでください。

    ② ご家族、あるいは本人に悪性腫瘍の病歴がある場合は、本剤を使用しないでください。(遺伝要因や転移のリスク要因を避けるため。)

    ③ 本剤のご使用で症状が軽快し次第、ご使用を止めていただき、なるべく続けて使用しないで下さい。 症状の軽快後は1ヶ月以上を目安になるべく長く休薬期間を置いて、 症状が再発した際に再度、使用するといった間欠的な投与をお勧めします。なお、やむを得ず3ヶ月以上、続けてご使用になる場合は、少なくとも6ヶ月に1回以上の頻度で定期的ながん検診をお願い致します。

     

    (2) 皮膚の発赤、痒み、かぶれ、腫れ、薬疹

    人により、本剤の成分がお肌に合わない場合がございます。また、手指や塗布部が不潔であったり、傷がありますと、炎症などの原因になります。そのため、次の事項にご注意ください。

    ① ご使用前に、手指と塗布部を清浄にして、傷や湿疹が無い事をご確認ください。

    ② 初めてご使用になる前に、内股など皮膚のうすい所に本剤を塗り、翌日中に薬疹、発赤、痒み、かぶれ、腫れ等の異常が生じないことをご確認ください。異常が生じた場合は、本剤を使用しないでください。

    ③ 過去に、薬や化粧品等を塗って、これらのアレルギー症状を起こした事がある場合や、ご家族または本人がアレルギー体質である場合は、あらかじめ医師や薬剤師にご相談するなど、慎重にご使用ください。

    ④ ご使用中に、これらの症状が起きた場合は、直ちにご使用を中止して、患部を清浄に保ちながら安静にしてください。通常は数日で軽快しますが、日ごとに症状が悪化する場合は皮膚科を受診してください。

     

    (3) 乳房の痛み、緊満感

    生理周期にともなう通常の範囲内の痛みや張りを超えるような異常な痛みや張りがある場合は、直ちに本剤の使用を中止してください。その後、約2週間の間に軽快しない場合や、症状が悪化する場合は、婦人科あるいは乳腺外科を受診してください。

     

    (4) 吐き気、嘔吐、食欲不振、頭痛、むくみ、めまい

    医療用の女性ホルモン製剤における副作用事例で、ヒメロスでは経験がございません。

     

    (5) 不正出血、経血量の変化、帯下(こしけ: 粘液や白血球を含む、白色または黄色で粘液性の腟からの排出物)

    閉経後のご使用にともなう月経の再開のような不正出血を経しておりますが、逆に、閉経前の女性で生理不順が規則正しくなったケースもございます。本剤の使用を中止することで、元の状態に戻るものと考えております。

     

    (6) 色素沈着、腹部疼痛、下痢、動悸、眠気、不眠、血圧上昇、便秘、腹部膨満感

    医療用の女性ホルモン製剤における副作用事例で、ヒメロスでは経験がございません。

     

    追記: その他の注意事項について

    (1) 妊娠または妊娠している可能性がある場合は、本剤を含む全ての女性ホルモン剤を使用しないでください。胎児に悪影響を及ぼす恐れがあります。

    (2) 授乳中の場合は、本剤を含む全ての女性ホルモン剤を使用しないでください。他剤の報告で、母乳に成分が移行して母乳を飲んだ新生児に悪影響を及ぼすことが指摘されています。

     

     

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