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更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。

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Category:萎縮性膣炎

  • 高齢婦人における局所の estrogen 投与は性生活を含むQOLを改善する

    2015年10月28日


    御茶ノ水・浜田病院 産婦人科 1), 帝京大学 医学部 産婦人科 2), 東京大学 医学部 産婦人科3)
    合阪 幸三 1), 土屋 富士子 1), 末田 雅美 1), 能瀬 さやか 1), 板橋 香奈 1), 生月 弓子 1),
    小畑 清一郎 1), 平池 春子 2), 平池 修 3)

    【目的】
    閉経期の婦人では卵巣からの estrogen 分泌が低下する結果,外陰部の乾燥に伴う掻痒感,性交痛を訴え,QOLの低下を招いている. 今回このような女性に対する estrogen  含有クリームの有用性について検討した.

    【方法】
    研究遂行に際して病院の倫理委員会に諮り許可を得た. 被験者には十分なインフォームドコンセントを行い同意を得た. 外陰部乾燥・掻痒感および性交痛を訴えた患者15例 (58.4 ± 2.6 歳)を対象とした. これらに6か月間 estrogen 含有クリーム製剤 (バストミンTM,大東製薬工業, 1g中に estradiol 0.6mg, ethinyl estradiol 0.2mg 含有)を 0.1g/day 外陰部に塗布させ,外陰部のかゆみ,乾燥度,性交痛を 0-3 の4段階に分けて評価した(A群). 患者には適宜白色ワセリンや性交時の潤滑ゼリーを使用するよう指導した. Estrogen 含有クリームの使用を希望しなかった10例をコントロールとした(B群, 57.8 ± 2.1 歳).

    【成績】
    かゆみ(A: 2.8 ± 0.4 → 0.3 ± 0.2, B: 2.7 ± 0.5 → 1.1 ± 0.5, p<0.05), 乾燥度(A: 2.6 ± 0.5 → 0.3 ± 0.3, B: 2.8 ± 0.5 → 0.5 ± 0.6, n.s.), 性交痛(A: 2.9 ± 0.2 → 0.2 ± 0.2, B: 2.9 ± 0.3 → 1.8 ± 0.5, p<0.01)と,A群で有意に改善していた. 本試験期間中,薬剤投与による重篤な副作用は認められなかった.

    【結論】
    Estrogen 含有クリーム製剤は外陰部乾燥,掻痒症および性交痛に悩む閉経期婦人のQOL改善に極めて有用であることが明らかとなった.

    第30回 日本女性医学学会学術集会 : 平成27年11月7日(土)・8日(日)
    会場: メルパルク名古屋(愛知県名古屋市東区葵3-16-16)
    ポスター6 「更年期障害」 演題 P-18

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  • 更年期女性の泌尿生殖器症状に対する膣内エストロゲン療法のレビュー

    2015年04月08日


    ■ 目的
    泌尿生殖器症状を有する更年期女性に対する膣内エストロゲン投与に関する論文の総合的レビューおよび厳密な評価を行った。

    ■ 方法
    データソースとして2013年4月までのMEDLINEおよびコクラン・データベースを調査した。データの収集基準はRCTおよび前向きの比較試験である。介入に用いられた薬剤および比較薬剤は全ての販売されている膣内エストロゲン製剤である。
    1,805の抄録をダブル・スクリーンし44の該当論文を同定した。異論がある場合は第三のレビュアーに判断を仰いだ。各研究を個々およびグループでエビデンスの方法論的質および強度を評価した。
    各論文より被験者、使用薬剤、比較薬剤、およびアウトカム・データを抽出した。アウトカムデータは患者報告の萎縮症状(膣乾燥感、性交痛、乏尿、尿意切迫、頻尿、再発性尿路感染症、および腹圧性失禁)、萎縮の他覚所見、尿流動態、子宮内膜に対する影響、血中E2濃度の変化および有害事象である。

    ■ 結果
    ・ 膣内エストロゲンはプラセボに比して膣乾燥、性交痛、尿意切迫、頻尿および腹圧性尿失禁および切迫性尿失禁を改善した。
    ・ 尿路感染率は減少した。
    ・ 種々のエストロゲン製剤は同様の効果と安全性を示した。
    ・ 血清E2レベルは高用量CEEクリームを除いて閉経女性の正常範囲にあった。
    ・ 子宮内膜過形成および腺がんは極めてまれであった。
    ・ 膣内エストロゲン剤を非ホルモン性の湿潤剤と比較すると2つ以上の外陰部膣症状を有する患者では膣内エストロゲン剤の改善効果が勝っていた。しかし症状が一つなしい軽度の患者では効果に差異がなかった。

    ■ 結論
    全ての販売されている膣内エストロゲン剤は外陰部膣症状に有効であり、尿意切迫、頻尿あるいは夜間尿、および腹圧性および切迫性失禁および再発性尿路感染にも有用である。
    非ホルモン性の湿潤剤は一つあるいは軽度の萎縮関連症状およびエストロゲン関連腫瘍のリスクのある患者には有用である。

    ■ 原著
    Obstet Gynecol. 2014 Dec;124(6):1147-56.
    Vaginal estrogen for genitourinary syndrome of menopause: a systematic review.
    Rahn DD, Carberry C, Sanses TV, Mamik MM, Ward RM, Meriwether KV, Olivera CK, Abed H, Balk EM, Murphy M; Society of Gynecologic Surgeons Systematic Review Group.

    ■ 弊社コメント
    下部尿路症状に有用性が認められています。(野)

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  • 膣内エストロゲン療法と血中濃度

    2012年11月22日


    【 背 景 】
    膣内エストラジオール(VE)は乳癌生存者における全身的エストロゲン療法の安全な代替療法として提案されている。

    【 方 法 】
    対象はエストロゲン受容体陽性乳癌あるいはハイリスク乳癌の閉経女性(n
    =
    24)で、アロマターゼ阻害剤(AI)あるいはSERMの投与を受け、萎縮性膣炎のため90日以上のVE(リングおよび錠)を使用していた。コントロールとしてAIの投与のみの24例。
    採血はVEリング患者では新しいリング装着前および装着30日および60日後に、VE錠患者では挿入前の朝および挿入12時間後に、コントロール患者では1回のみ行った。血清E2はエーテル抽出後高感度RIAにて測定した。

    【 結 果 】

    • 平均E2はコントロール群で 3.72pmol/L (range, < 3.0-7.7 pmol/L)、VEリング群の装着前および装着12週後のE2はコントロールより有意に高かった(各P
      < .001 )。
    • VE錠群の挿入前E2はコントロール群と差異がなく、挿入後は 76pmol/Lで挿入前より有意に高かった(P <
      .001)。

    【 結 論 】
    VE療法はE2レベルを上げる。VE錠使用患者の挿入前のE2はコントロールと比較して上昇がみられず、VE錠によるE2の上昇は持続的ではないことが示唆された。 VE療法は剤型に限らず血清E2を上昇する、したがい使用には注意が必要である。

    【 原 著 】
    J Oncol Pract. 2012 May;8(3):144-8. Epub 2012 Feb 7.
    Effects of vaginal
    estrogens on serum estradiol levels in postmenopausal breast cancer
    survivors and women at risk of breast cancer taking an aromatase inhibitor
    or a selective estrogen receptor modulator
    .

    Wills S, Ravipati A,
    Venuturumilli P, Kresge C, Folkerd E, Dowsett M, Hayes DF, Decker
    DA.
    William Beaumont Hospital, Royal Oak; University of Michigan
    Comprehensive Cancer Center, London, United Kingdom.

    【 コメント 】
    使用24時間後には有意な上昇が認められない点が、バストミンと同様です。(野)

    エストロゲン受容体陽性の乳癌の人に対するエストロゲンは絶対禁忌で、癌の進行や再発を防止する観点から抗エストロゲン剤の投与などで徹底的にエストロゲンを排除することになります。 しかしながら、エストロゲンの欠乏による萎縮性膣炎などQOLの低下が避けられません。 そこで、膣内に局所的なエストロゲン補充をする程度であれば、全身的なエストロゲン投与を避けながら萎縮性膣炎に対処できると考えたようですが、短時間とはいえ全身的なエストロゲンの上昇が見られたので、乳癌の進行や再発に対する注意が必要、という話と思われます。(福)

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  • Estradiol含有クリーム製剤の萎縮性膣・外陰炎に対する効果 -長期投与の影響-

    2011年11月12日


    学会名称:第26回 日本女性医学会 学術集会
    開催日(発表日):2011年11月12日~13日
    開催場所:神戸国際会議場 (神戸市中央区港島中町6丁目9-1)

    PS-02 (ポスター発表)

    Estradiol含有クリーム製剤の萎縮性膣・外陰炎に対する効果 -長期投与の影響-

    御茶ノ水・浜田病院 産婦人科 (1), 東京大学医学部 産婦人科 (2), 帝京大学医学部 産婦人科(3)
    合阪 幸三(1), 兵藤 博恵(1), 平池 春子(1), 生月 弓子(1), 小畑 清一郎(1), 宮本 雄一郎(2), 平池 修(2), 兵藤 博信(2), 森 宏之(3)

    【 目的 】
    全身的なホルモン補充療法を希望しない萎縮性膣・外陰炎の症例に対してestrogen含有クリーム製剤を1年間継続投与して、その臨床効果および血中estradiol値の動態について検討を加えた。

    【 方法 】
    研究施行前にプロトコールを公開し院内の倫理委員会に諮り許可を得た。 対象症例にも十分なインフォームドコンセントを行い、同意を得た。 萎縮性膣・外陰炎と診断された患者20例(平均年齢:66.4±4.1歳)を対象とした。 これらの症例に対して、estrogen含有クリーム製剤(バストミンTM,1g中にestradiol 0.6mg, ethinyl estradiol 0.2mg を含有するクリーム製剤、大東製薬工業社製)を、就寝前に1日1回、0.1g外陰部に患者自身で塗布させ、臨床症状の改善度について評価した。 外陰部のかゆみ、乾燥度については、0~3(0:症状無し、1:軽度症状あり、2:中等度症状あり、3:強い症状あり)の4段階に分けて評価し、各薬剤投与前後で評価した。投与前、投与1年後に採血し、血中estradiol値を測定した。

    【 成績 】
    Estrogen含有クリーム製剤の投与により、投与前後でそれぞれ、外陰部のかゆみ(2.76±0.5→0.30±0.46)、乾燥度(2.81±0.40→0.27±0.45)は、いずれも有意に改善した(p<0.001)。 一方、血中のestradiol値は、薬剤投与前は全て測定感度(10pg/ml)以下であったが、投与1年後でも13.87±3.76pg/mlとごく軽度の上昇に留まった。

    【 結論 】
    萎縮性膣・外陰炎に対するestrogen含有クリーム製剤の有用性および安全性が明らかとなった。

     

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  • エストラジオール軟膏 バストミンの長期成績

    2011年11月12日


    学会名称:第26回 日本女性医学会 学術集会
    開催日(発表日):2011年11月12日~13日
    開催場所:神戸国際会議場 (神戸市中央区港島中町6丁目9-1)

    PS-01 (ポスター発表)
    エストラジオール軟膏 バストミンの長期成績

    横浜元町医療クリニック・LUNA (1), 女性医療クリニックLUNA・ANNEX (2)
    関口 由紀(1), 永井 美江(2)

    【 目的 】
    バストミンは、OTCのエストラジオール軟膏である。 女性医療クリニックLUNAグループでは、バストミンを外陰部塗布で用いている。 今回我々は、バストミンを長期に使用した症例の内訳と効果ならびに安全性に関して検討したので報告する。

    【 方法 】
    2008年8月から 2011年7月までに女性医療クリニックLUNAグループにおいてバストミンを使用した患者は68例であった。 このうちバストミンを2本以上使用した患者を長期使用しいた患者と定義し、これらの患者の分析を行った。 バストミンは、チューブから1cmを出して外陰部に塗布した。 塗布頻度は、週に1~3回であった。

    【 成績 】
    バストミンを2本以上使用した患者は、23例 33.8%であった。 使用本数の平均は、3.15本(最小2本、最大8本)であった。 使用患者の平均年齢は、56.4歳(最小46歳、最大62歳)であった。 長期使用した患者の疾患の内訳は、萎縮性膣炎7例、女性性機能障害5例、過活動膀胱4例、骨盤臓器脱4例、間質性膀胱炎3例、外陰痛症候群2例、尿道クルンクスル2例、尿道脱1例であった。 患者の主訴は、下腹部痛5例、残尿感4例、膀胱炎の再発4例、陰部痛3例、陰部下垂感3例、性交痛3例、尿道出血3例、頻尿2例、尿意切迫感1例であった。 全ての症例に関して、主訴の改善を認めた。 長期使用が可能だった患者に関しては、明らかな副作用は認められなかった。

    【 結論 】
    バストミンは、長期に安全に使用できるエストラジオール軟膏であることが示唆された。

     

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  • エストロゲン膣内投与は膣血管、性機能を改善する

    2006年09月08日


    【目的】
    子宮摘出閉経女性の膣血流量及び性機能に対する経口及び膣エストロゲン製剤の効果を比較検討した。

    【方法】
    57例の女性に無作為に経口剤 (0.625 mg of conjugated equine estrogen per tablet; n = 27)又は局所製剤 (0.625 mg conjugated equine estrogen per 1g vaginal cream; n = 30) のエストロゲンを1日1回投与した。投与前および3カ月後に、エストラジオール、尿検査、骨盤の診察、カラードプラー超音波検査及び質問表による性機能調査を行った。

    【結果】
    ・3カ月後の血清エストラジオール濃度は局所投与に比して経口投与で高かった。

    ・両群で膣血管数および膣最小径は有意に増加し、拍動係数(PI)は著明に減少した。収縮ピークに関しては局所投与群で有意に減少した(P<0.05)。

    ・無オーガズム症の頻度は両群で減少したが、他のドメイン-低リビドーおよび性交頻度の変化は有意ではなかった。

    ・局所投与群では、膣乾燥に関する性機能及び性交疼痛症ドメインを有意に改善する(P<0.05)。しかし、経口群ではそうしたケースはなかった。しかしながら、膣乾燥および性交疼痛症に対する経口群の効果は80% 及び 70.6%に達した。

    【結論】
    子宮摘出閉経女性のエストロゲン単独療法は 膣血流量を増加し、性機能の幾つかを改善した。しかし、性欲、性活動度の低下には影響がなかった。
    全身投与に比して局所膣製剤は、血清エストラジオール濃度が低いにもかかわらず、症状の回復に効果的であった。

    【原著】
    A randomized comparative study of the effects of oral and topical estrogen therapy on the vaginal vascularization and sexual function in hysterectomized postmenopausal women.
    Long CY, Menopause, 2006 Aug 28

    【弊社コメント】
    弊社の女性ホルモン軟膏剤(「ヒメロス」「バストミン」)を用いた研究ではありませんが、弊社製剤にも通じる、塗布剤によるホルモン補充療法のメリットを示唆する最新の報告と思われます。(野)
    全身投与にならない程度の、低用量のエストロゲン塗布剤を膣内に局所的に塗布することで、腟の局所的な症状を改善しつつ、エストロゲンの全身投与で指摘される様々なリスクを回避できることが期待されます。(福)

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