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更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。

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Category:総説・レビュー

  • 更年期女性の泌尿生殖器症状に対する膣内エストロゲン療法のレビュー

    2015年04月08日


    ■ 目的
     泌尿生殖器症状を有する更年期女性に対する膣内エストロゲン投与に関する論文の総合的レビューおよび厳密な評価を行った。

    ■ 方法
     データソースとして2013年4月までのMEDLINEおよびコクラン・データベースを調査した。データの収集基準はRCTおよび前向きの比較試験である。介入に用いられた薬剤および比較薬剤は全ての販売されている膣内エストロゲン製剤である。
     1,805の抄録をダブル・スクリーンし44の該当論文を同定した。異論がある場合は第三のレビュアーに判断を仰いだ。各研究を個々およびグループでエビデンスの方法論的質および強度を評価した。
     各論文より被験者、使用薬剤、比較薬剤、およびアウトカム・データを抽出した。アウトカムデータは患者報告の萎縮症状(膣乾燥感、性交痛、乏尿、尿意切迫、頻尿、再発性尿路感染症、および腹圧性失禁)、萎縮の他覚所見、尿流動態、子宮内膜に対する影響、血中E2濃度の変化および有害事象である。

    ■ 結果
     ・ 膣内エストロゲンはプラセボに比して膣乾燥、性交痛、尿意切迫、頻尿および腹圧性尿失禁および切迫性尿失禁を改善した。
     ・ 尿路感染率は減少した。
     ・ 種々のエストロゲン製剤は同様の効果と安全性を示した。
     ・ 血清E2レベルは高用量CEEクリームを除いて閉経女性の正常範囲にあった。
     ・ 子宮内膜過形成および腺がんは極めてまれであった。
     ・ 膣内エストロゲン剤を非ホルモン性の湿潤剤と比較すると2つ以上の外陰部膣症状を有する患者では膣内エストロゲン剤の改善効果が勝っていた。しかし症状が一つなしい軽度の患者では効果に差異がなかった。

    ■ 結論
     全ての販売されている膣内エストロゲン剤は外陰部膣症状に有効であり、尿意切迫、頻尿あるいは夜間尿、および腹圧性および切迫性失禁および再発性尿路感染にも有用である。
     非ホルモン性の湿潤剤は一つあるいは軽度の萎縮関連症状およびエストロゲン関連腫瘍のリスクのある患者には有用である。

    ■ 原著
    Obstet Gynecol. 2014 Dec;124(6):1147-56.
    Vaginal estrogen for genitourinary syndrome of menopause: a systematic review.
    Rahn DD, Carberry C, Sanses TV, Mamik MM, Ward RM, Meriwether KV, Olivera CK, Abed H, Balk EM, Murphy M; Society of Gynecologic Surgeons Systematic Review Group.

    ■ 弊社コメント
     下部尿路症状に有用性が認められています。(野)

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  • 睡眠異常とテストステロンの関係

    2014年07月28日


    ■ 目的
     血清テストステロン・レベルおよび正常および異常睡眠との間の関係に関する最近のデータおよびコンセプトについてレビューした。

    ■ 最近の知見
     日内リズムおよび睡眠生理の性差は部分的に性ホルモンの組織的活性化作用によるものである。 テストステロンは日内リズムおよびタイミングの統合に関わっているが睡眠の長さには関わっていない。 思春期のテストステロンの上昇は就眠時間を遅らせる。 テストステロンの日周変動はサーカディアンリズムおよび季節よりも睡眠に依存している。
     思春期の始まりは男性化の前に睡眠中のLHレベルの上昇( 3.7 U/l以上)により予知される。
     全睡眠遮断はテストステロンを下げるが、睡眠制限は前半の制限においてのみテストステロンを下げる。不眠からのテストステロンの回復は若齢齧歯類に比して高齢齧歯類において障害されている。
     閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の男性において、低テストステロンはOSAそれ自体よりも肥満に関連しており、体重低下により改善するが持続的気道陽圧(CPAP)は十分改善しない。
     テストステロン療法は一過性にOSAの重度を悪化する。従いその使用は禁忌である。

    ■ サマリー
     肥満あるいは抑うつ等による二次性の性腺機能低下症の男性においてテストステロン療法は全般的な異常の改善に比して睡眠に対する有用性は期待できない。

    ■ 原著
    Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes. 2014 Jun;21(3):239-43.
    The relationship between sleep disorders and testosterone.
    Wittert G.

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  • テストステロンの心血管系に及ぼす有用性とリスク

    2014年06月30日


    ■ 要約
     テストステロンの欠乏は心血管疾患(CVD)を有する男性において高率に認められ、死亡率の上昇と関連している。低テストステロンはインスリン抵抗性、糖尿病、脂質異常、内臓肥満および内皮機能異常等の心血管リスク因子に対し悪影響をもたらす。

     男性という性は早期のCVDおよび死亡率に対するリスク因子としてよく知られている。 テストステロンの欠乏はアテローム形成の寄与因子か、あるいは単に病態のバイオマーカーに過ぎないか否かという疑問が挙がっている。

     動物実験および in vitro での研究結果はアテローム形成に関する機序がテストステロンによって抑制的に調整されている事を示している。

     疫学的研究は中等度~正常上限内の内因性テストステロン・レベルの男性は低テストステロンおよび高テストステロンの男性に比して心血管イベントが減少していた事を示した。

     性腺機能低下男性に対する正常レベルのテストステロン補充は心臓虚血、機能的運動容量等の幾つかの心血管リスク因子に対し有用効果を示し、死亡率を改善した。

     しかし、未治療あるいは高用量のテストステロンの研究では心血管関連イベントのリスク上昇と関連していた。

     それゆえ、臨床的モニターおよびテストステロン用量の適正化が非常に重要である。

    ■ 原著
    Front Horm Res. 2014;43:1-20. Epub 2014 Jun 10.
    Testosterone and cardiovascular risk in men.
    Kelly DM, Jones TH.

    (さらに…)

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  • 性機能障害に対するヨヒンビンを含む補完代替医療(CAM)の有効性に関するレビュー

    2012年11月21日


    【 目的・方法 】
    性機能障害(SD)あるいは勃起不全(ED)の高齢男性はしばしば補完代替医療(CAM)を用いる。このレビューはCAMの有効性に対するエビデンスの評価を厳密に行った。
    全ての関連性のあるシステマティック・レビュー(SR)を見出すため6つの電子データベースを調査した。方法論的質はOxman scoreを用いて独立した2人のレビュアーにより評価した。

    【 結 果 】

    • 4つのSRが基準に合致していた。鍼治療、チョウセン人参、マカおよびヨヒンビンである。
    • 全SRの方法論的質は “good” である。しかし、ベースの研究はバイアスのリスクが無視できない程度にある。
    • 結論としてEDの治療オプションにヨヒンビンおよび朝鮮人参が取り上げられている。
    • 鍼治療およびマカはEDおよびSDに対するエビデンスが不十分である。

    【 結 論 】
    若干の強いエビデンスはあるがSDおよびEDに対するCAMの価値を確立するため、多くの質の高い研究が必要である。

    【 原 著 】
    Maturitas. 2011 Sep;70(1):37-41. Epub 2011 Jul 22.
    Complementary and alternative medicine (CAM) for sexual dysfunction and erectile dysfunction in older men and women: an overview of systematic reviews.
    Ernst E, Posadzki P, Lee MS.
    Complementary Medicine, Peninsula Medical School, University of Exeter, Exeter, UK

    【 弊社コメント 】
    著者のErnst Eは、ヨヒンビンのシステマティック・レビューを行った人です。原著での確認が必要ですが、ヨヒンビンに関して新たなデータはないと思われます。 ヨヒンビンの位置づけが補完代替医療(CAM)になっています。(野)

    補完代替医療の社会的背景は、公的医療費の削減にあると思いますが、欧米でヨヒンビンが根拠のある補完代替医療の選択肢として認められることは、本邦におけるヨヒンビン製剤がOTC(市販薬)としてED治療の選択肢である現状を支持すると考えます。(福)

    (さらに…)

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  • EDに対するテストステロンおよびPDE5阻害剤の併用療法 (レビュー)

    2012年11月08日


    【 要 約 】
     テストステロン欠乏症はED患者のPDE5阻害剤の臨床効果を低下すると思われる。 性腺機能低下患者において、テストステロン補充はシルデナフィルあるいはタダラフィルによる治療に効果の無かった患者の性機能の亢進と関連している。

     そこで、PDE5阻害剤単独療法で効果がなかったEDおよび低~正常下限テストステロンレベルの男性におけるテストステロンとPDE5阻害剤併用療法を検討した臨床試験のレビューを行った。

     調査した臨床試験は幾つかが方法論的欠点があり、様々なものがあった。 全体的にはPDE5阻害剤へのテストステロンの付加は、単独療法に効果がなく、総テストステロン値が 300ng/dL
    未満のED患者に有用と思われる。

     無作為コントロール比較ニ重盲検試験が必要であり、それにより適正な対象、テストステロンのカットオフ値、用量、併用期間を定める必要がある。

    【 原 著 】
    Can Urol Assoc J. 2012 Aug;6(4):269-74
    Synergetic effect of testosterone and
    phophodiesterase-5 inhibitors in hypogonadal men with erectile dysfunction:
    A systematic review.

    Alhathal N, Elshal AM, Carrier S.
    Division of
    Urology, Department of Surgery, McGill University, Montreal, QC.

    【 弊社コメント 】
    テストステロンの分泌が低い人で、PDE5阻害剤(バイアグラ・レビトラ・シアリス)だけではEDが改善できない人の場合に、PDE5阻害剤とテストステロン補充の併用療法が有用と思われます。 ただし、それを言い切るために必要となる厳格な研究は、未だ十分に出来てないようです。(福)

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  • テストステロン補充療法の効果に関するタイムコース

    2011年07月28日


    【 目 的 】
    テストステロンは男性の諸臓器で様々な作用を有している。このレビューはテストステロン補充療法の効果に関するタイムコース、最初の効果の発現から最大効果の到達までを出版されたデータから検討した。

    【 方 法 】
    タイムコースに関するデータが記載されているテストステロン補充療法の論文をPubMedにて検討した。

    【 結 果 】

    • 性的関心に対する効果は3週後より発現し6週後にプラトー(≒最大)に達し、それ以上は上昇しない。
    • 勃起/射精の変化は6ヶ月以上を要する。
    • QOL(生活の質)に対する効果は3~4週より現れ、最大効果は長期間を要する。
    • 抑うつムード(≒気分)に対する効果は3~6週後に現れ、18~30週後に最大となる。
    • 赤血球産生に対する最初の効果は3ヶ月後に現れ、9~12ヶ月後に最大となる。
    • PSAおよび前立腺容積の上昇は僅かであるが、12ヶ月後にプラトー(≒最大)になり、その後の上昇は治療よりも加齢が関連する。
    • 脂質に対する効果は4週後に現れ、6~12ヶ月後に最大となる。
    • インスリン感受性は数日以内に改善すると思われるが、血糖コントロールの改善は3~12ヶ月後でないと認められない。
    • 脂肪容量、非脂肪容量および筋力に対する効果は12~16週後に現れ、6~12ヶ月後に安定化し、1年以上継続しても改善は僅かである。
    • 炎症に対する効果は3~12週以内に現れる。
    • 骨に対する効果は6ヶ月後には認められ、少なくとも3年間は持続する。

    【 結 論 】
    テストステロンの各種作用のタイムコースは非常にバリエーションがある。これはおそらくテストステロン製剤の薬物動態が関係していると思われる。また遺伝的および非遺伝的アンドロゲン受容体多型および細胞内ステロイド代謝がこのような差異に関連していると推定される。

    【 原 著 】
    Eur J Endocrinol. 2011 Jul 13.
    ONSET OF EFFECTS OF
    TESTOSTERONE TREATMENT AND TIME SPAN UNTIL MAXIMUM EFFECTS ARE
    ACHIEVED.

    Saad F, Aversa A, Isidori AM, Zafalon L, Zitzmann M, Gooren
    LJ.
    Scientific Affairs Men’s Healthcare, Bayer Schering Pharma, Berlin,
    Germany.

    PMID:
    21753068

    【 弊社コメント 】
    各種効果の発現時期および最大効果がかなりクリアに示されていますが、そう割り切っていいものか問題もあります。なぜなら、元となる各臨床試験がそういう事を目的にしていないからです。
    殆どの臨床試験は3~6カ月の投与で、評価は0時点(開始時)、3ヶ月、および6ヶ月後に行う場合が多いので、そのような前提を踏まる必要があります。(野)

    「男性ホルモンの補充を始めてから、どれくらいの期間で効果が出るの?」というご質問は多く、当事者にとって切実な関心事ですが、上記コメントの通り臨床研究では3ヶ月毎に評価を行う場合が多く、日・週単位では正確に把握できないのが現状です。なお、エビデンス・レベルは乏しいのですが、弊社製品「グローミン」と「ヘヤーグロン」のモニター調査で最初の1本分(2週間~1ヶ月程度)までの印象をアンケートで調べた経緯があります。(福)

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  • 勃起不全におけるテストステロン補充療法の位置づけ

    2010年11月10日


    【 目的 】
    テストステロン欠乏症候群(TDS)と勃起不全の関係およびその診断および治療について分析した。

    【 方法 】
    PUBMEDデータベースを検索し文献的レビューを行った。

    【 結果 】

    • テストステロンのどの成分(総、遊離あるいは生物学的)を測定すべきか、診断価値がなんであるかという一定の基準が欠如しているため、真のTDSは知られていない。
    • こうした事実にも関わらず、勃起不全男性の5~15%がテストステロンレベルの低下を示す。
    • テストステロンが中枢および末梢の両レベルで勃起の生理に関わっている事を示す確かな研究がある。にも関わらず、ヒトで得られるエビデンスは、主にTDSの高齢患者ではあるが、強固なものではない。
    • 幾つかのメタ解析はテストステロン補充が勃起および性欲を改善する事を示している。
    • しかしながら、TDSの全ての患者にテストステロン補充は有用ではない。それは多分、勃起不全の原因が多元的であるためであろう。
    • テストステロン単独あるいはPDE5阻害剤単独で無効な勃起不全と性腺機能低下症を合併する患者には、PDE5阻害剤とテストステロンの併用療法が有用と思われる。

    【 結論 】
    勃起不全を訴える患者にはテストステロンの測定が強く勧められる。なぜならば、テストステロン補充は多くの患者で勃起および性欲を改善できる。さらにテストステロン補充はTDSの他の症状も改善するであろうし、PDE5阻害剤単独療法で効果が得られなかった時、併用により効果を高めるであろう。

    【 原著 】
    Arch Esp Urol. 2010 Oct;63(8):663-670.

    TESTOSTERONE DEFICIT SYNDROME AND
    ERECTILE DYSFUNCTION.

    Gil Salom M, Martinez Jabaloyas JM.
    Servicio de
    Urologia. Hospital Universitario Doctor Peset. Valencia. Espana. Departamento Universitario de Cirugia. Universidad de Valencia.
    Espana.

    【弊社コメント】
    EDテストステロンの関係について世界中で発表された論文を通じて、PDE5阻害剤(バイアグラ・レビトラ・シアリス)とテストステロンの併用の有用性が示唆されています。

    テストステロンの分泌低下がEDの一因になると考えられますが、テストステロンを投与すればEDが治るかというと、必ずしも全ては救えません。EDの原因は多岐に及ぶため、テストステロン以外にもEDの原因があれば、自ずとテストステロンの効果が不十分になります。

    何よりも、EDになってから時間が経つほど、勃起に必要な筋肉が萎えてしまうので、重症化の悪循環に陥ります。骨折してギブスで固定した所の筋肉が使わずに萎えてしまえば、ギブスが取れてから元のように運動できず、リハビリが必要になるのと同じかも知れません。

    ちなみに性交の機会が無い健常男性が勃起機能を維持できるのは、マスターベーションだけでなく、夜間勃起や早朝勃起を通じて勃起に必要な筋肉を維持させているためと考えられます。

    かといって、PDE5阻害剤も万能でなく、十分に効果が得られない場合もあるようです。

    そのような時、PDE5阻害剤とテストステロンの併用が有用になると考えられています。(福)

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  • テストステロンの不足は心血管疾患のリスク要因か?

    2010年05月02日


    【 要旨 】
     男性という性は冠動脈血管死の主なリスク因子であるが、関連性は未だ説明しきれていない。

     男性の低テストステロンはメタボリック・シンドロームおよび2型糖尿病のリスク因子であり、個々のメタボリック・シンドローム成分、内臓肥満、インスリン抵抗性、高血糖、高血圧および脂質異常と独立して関連している。

     疫学的研究は低テストステロン男性の死亡率の上昇を報告している。

     短期間のテストステロン補充療法はウェスト周囲径、コレステロールおよび炎症性サイトカインを下げ、糖尿病患者のインスリン抵抗性および血糖コントロールを改善する。

     テストステロンはまた、心筋虚血、狭心症および慢性心不全に有用である。

     この論文は低テストステロンと心血管疾患の関連を支持する現在のエビデンスをレビューしたものであり、大規模、長期的研究の必要性が明らかにされている。

    【 原著 】
    Trends Endocrinol Metab. 2010 Apr 6.

    Testosterone deficiency: a risk factor for cardiovascular disease?

    Jones TH.
    Robert Hague Centre for Diabetes and Endocrinology, Barnsley Hospital NHS Foundation Trust, Barnsley, UK; Academic Unit of Diabetes, Endocrinology and Metabolism, University of Sheffield, Sheffield, UK.

    【 弊社コメント 】
    全容は未だ解明されていませんが、男性のテストステロン不足が死亡率を上昇させていることは明らかになっています。
    具体的には、メタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病、2型糖尿病・高血圧、そして心不全に関係していて、短期間のテストステロン補充については有用であることが報告されています。
    ただし、長期的にテストステロンの補充を続けた場合や、大規模で広範囲な人での検証結果は未だありません。(福)

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