大東製薬工業公式BLOG

更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。

Category

月別アーカイブ

Category:テストステロンと薬指に対する人差し指の関係(2D:4D比)

  • 2D:4Dおよびメタボリック・シンドローム指標および心血管疾患因子との関係

    2014年07月09日


    ■ 目的
    2D:4Dはアスリートの能力、生殖の成功、癌および心血管疾患(CVD)のリスクといった幾つかの特質とリンクしている。 メタボリック・シンドロームは幾つかの心血管疾患リスク因子に含まれる。
    ウェスト周囲径(WC)、 頸部周囲径(NC)、 BMIおよびウェスト-身長比(WHtR)はMSの評価に重要な要素である。 ナイジェリアのイリオンに居住する成人における2D:4DおよびMS指標およびCVD因子との関係を調査した。

    ■ 方法
    多段階の層別サンプリングによる断面調査を行った。 異なった地域に住む住民の家庭を訪問し、指の長さおよび身体的パラメータを計測した。対象となったのは年齢18~44歳の801例の健康成人(男性56%)で、現在のエリアに3年以上居住している。

    ■ 結果

    • 男性は女性よりも有意に低い2D:4Dを示した(unpaired t-test; t [699] = 11.49, P = 0.001)。
    • メタボリック・シンドロームのマーカーと2D:4Dに有意な正相関が認められた。
    • HtR は男性および女性において高い相関性(r = 0.461, P ≤ 0.001およびr = 0.408, P ≤ 0.001)がBMI、NCおよびWCよりも認められた。
    • この研究で認められた全ての正相関は男性および右手で高かった。

    ■ 結論
    2D:4Dは性的2形性(雌雄二形)を示し、右手の2D:4Dはメタボリック・シンドロームの良好な予測因子であった。 イリオン(ナイジェリア)において、2D:4Dはメタボリック・シンドロームおよび心血管疾患リスク因子の代理マーカーとなる。

    ■ 原著
    J Res Med Sci. 2014 Mar;19(3):234-9.
    Sexual dimorphism in ratio of second and fourth digits and its relationship with metabolic syndrome indices and cardiovascular risk factors.
    Oyeyemi BF, Iyiola OA, Oyeyemi AW, Oricha KA, Anifowoshe AT, Alamukii NA

    (さらに…)

    続きを読む

  • 左手に対する右手の2D:4D(right-left 2D:4D)の低値はスポーツ能力と関連する

    2011年12月14日


    【 要旨 】
    低2D:4D比(弊社注釈:2Dは人差し指、4Dは薬指)および左手に対する右手の2D:4D(right-left
    2D:4D)の低値は、テストステロンの子宮内濃度の高値によるものであり、攻撃性およびランニングやラグビー等のスポーツ能力のような男性の特性と関連している。
    低right-left
    2D:4Dは、アンドロゲン受容体遺伝子のCAG数によって決定されるテストステロンに対する感受性にも関連している。
    今回、10代の少年において、低right-left
    2D:4Dは高最大酸素摂取量、高最大酸素摂取速度および高最大乳酸濃度と関連している事が明らかになった。
    低right-left
    2D:4Dは幾つかのスポーツ能力と関連している。その原因は、それが胎内でのテストステロン濃度を示すものであり、また血中テストステロンおよび高最大酸素摂取量によるものでもある。

    【 原著 】
    J Sports Sci. 2011 Dec 6.
    Right-left digit ratio
    (2D:4D) and maximal oxygen uptake.

    Hill R, Simpson B, Manning J, Kilduff
    L.
    HP Sports and YSC Sports , Philadelphia , Pennsylvania , USA.

    続きを読む

  • 2D:4D比は成人の陰茎長と関連する

    2011年08月01日


    【 目的 】
    2D:4D比は胎生期テストステロン濃度を推定するものであり、アンドロゲン受容体(AR)の感受性と関連すると位置づけられている。胎生期テストステロンとARは陰茎の成長に中心的役割を果たしている。そこで、2D:4D比と陰茎長の関係を調査した。

    【 方法 】
    対象は泌尿器科手術のために入院した20歳以上の男性144例である。陰茎長の測定の前に、右手の2D:4D 比を一人の研究者により測定した。麻酔下で弛緩した状態および伸展した状態の陰茎長を別の研究者により測定した。この研究者は2D:4D比に関する情報を全く知らされていない。

    【 結果 】

    • 直線回帰モデルを用いた単変量および多変量解析の結果、身長のみが弛緩した陰茎長(flaccid penile length)の有意な予測因子であった(単変量: r=0.185, P=0.026; 多変量: r=0.172, P=0.038)。
    • 2D:4D比は伸展した陰茎長(stretched penile length)に対してのみ有意な予測因子であった(単変量:r=-0.216, P=0.009; 多変量: r=-0.201, P=0.024; stretched penile length=-9.201×digit ratio +  20.577).

    【 結論 】
    2D4D比により成人の陰茎長を予測できる。胎生期のテストステロンレベルは成人の陰茎長の差異を部分的に説明するものである。

    【 原著 】
    Asian J Androl. 2011 Jul 4. doi: 10.1038/aja.2011.75.
    Second to fourth digit ratio: a predictor of adult penile
    length.

    Choi IH, Kim KH, Jung H, Yoon SJ, Kim SW, Kim TB.
    Department of Urology, Gachon University Gil Hospital, Incheon, Korea.

    【 コメント 】
    弛緩した陰茎長(flaccid penile length)および伸展した陰茎長(stretched penile length)の訳につきましては、適切でないかも知れませんので、お含みおき下さい。

    続きを読む

  • 女性では低2D:4D比は拒食症と関連し、高2D:4D比は過食症と関連する

    2011年07月29日


    【 目的・方法 】
    摂食障害は男性よりも女性に多く、原因は部分的に生物学的およびホルモン因子によるものと信じられている。2D:4D比は胎生期のテストステロン(PT)およびエストロゲン(PE)暴露を反映している。しかし、2D:4D比が摂食病理のタイプに関連しているかは分かっていない。
    2D:4D比と摂食障害の関係を摂食障害の回復および現行症例31例(女性)およびコントロール女性99例にて検討した。

    【 結果 】

    • 拒食症の女性は過食症の女性に比して2D:4D比が有意に低かった(PTが高く、PEが低い)。対してコントロールはその中間であった。
    • 摂食障害の女性では2D:4D比が現在の体重、最低体重、現在のBMIと有意に比例していた。特に右手の2D:4D比と強い関連性があった。

    【 結論 】
    女性では低2D4Dは拒食症と関連し、高2D4Dは過食症と関連していた。これは出生後の摂食病理に対する胎生期の性ホルモンの異なった作用を示唆するものである。

    【 原著 】
    Pers Individ Dif. 2011 Sep;51(4):402-405.
    The 2 to 4 digit ratio (2D:4D) and
    eating disorder diagnosis in women.

    Quinton SJ, Smith AR, Joiner T.
    School
    of Psychology, Charles Stuart University, Bathurst, NSW 2795,
    Australia

    続きを読む

  • 第4指(薬指)に対する第2指(人差し指)の比(2D:4D)と学術的能力の関連性

    2011年04月14日


    【 目的・方法 】
    胎生期のアンドロゲンは脳の発達と将来の行動に対して重要な影響を有している。第4指に対する第2指の比(2D:4D)は胎生期のアンドロゲン作用のマーカーであり、長い第4指は高い胎生期アンドロゲン作用を示す。
    2D:4Dはスポーツや投機をする男性の成功を予測している。しかし、学術的能力に対する胎生期アンドロゲンの影響については殆ど分かっていない。
    イタリアのカタニア医学校の男子学生48名の2D4D比に関する研究の所見を報告する。

    【 結果 】
    2D4D比は医学校への入学試験の結果、唾液中テストステロンおよびと攻撃性・積極性と相関していた、しかし大学のコースにおける試験点数とは相関がなかった。

    【 結論 】
    胎生期および誕生後のアンドロゲンは、意思決定およびリスクの許容を求められる状況における遂行能力を高めるが、分析的および計画的能力には影響しない。

    【 原著 】
    Mol Med Report. 2011 May;4(3):471-6..2011.456. Epub 2011 Mar 15.
    The
    second-to-fourth digit ratio correlates with the rate of academic
    performance in medical school students.

    Coco M, Perciavalle V, Maci T,
    Nicoletti F, Di Corrado D, Perciavalle V.
    Department of Physiological
    Sciences, University of Catania, I-95125 Catania, Italy.

    【 弊社コメント 】
    胎児の間に男性ホルモンの影響を強く受けて育った男性は、薬指が長く発達するようです。そして、男性ホルモンがもたらすアグレッシブな精神作用から、意思決定や遂行力が求められる、例えばスポーツ選手や投機ビジネスに向いているようです。個人的にはスポーツや投機に限らず、棋士や起業家、野心的な政治家や管理職など、男性的なアグレッシブさが求められる分野での活躍が期待できると思います。ただし、学力には関係しないようです。思わず、自身の両手を見てしまいました。(福)

    続きを読む

  • テストステロンには、どんなはたらき(作用)がありますか?

    2006年03月30日


    1.生まれる前(胎生期)から生後6ヶ月の発達

    2.思春期の男性性器の発育促進

    3.骨格や筋肉の成長促進

    4.性欲・性衝動の亢進

    5.脳や精神面への影響

     

    1.生まれる前(胎生期)から生後6ヶ月の発達

    テストステロンは、男性の胎生期において、男性内生殖器の発達に関係すると言われています。妊娠6週目から24週目にかけて、胎児にテストステロンが多く分泌されます。

    精巣は、最初から陰嚢(いんのう)の中になく、この時期に奥まった所から陰嚢へ下りて来るのですが、そのとき必要なホルモンがテストステロンです。

    これが上手く行かなかった状態が「潜伏睾丸」で、生後、精巣が機能しなくなってしまいますから、適切な処置が必要です。潜伏睾丸を放置しておくと、将来、男性不妊症の原因になるだけでなく、精巣がんを発症する確率が非常に高くなると言われているので、遅くとも第二次性徴が始まるまでに治療すべきです。生後、早々に小児科検診などの機会でご確認することをお勧め致します。

    なお、陰茎など男性外生殖器の形成に関係するのは、ジヒドロテストステロン(DHT)という、別の男性ホルモンによるものと言われています。

    また、生後2週間から6ヶ月にかけて、男児のテストステロンのレベルが高まる時期があり、この時期に脳の性差や発達に影響を与えると言われています。ちなみに、その後、思春期まで男児のテストステロンレベルは、女性と同じになります。

    2.思春期の男性性器の発育促進

    テストステロンは、「陰毛が生える」「声変わりが起こる」「睾丸や陰茎が発育する」など、男性の二次性徴を発現させます。

    3.骨格や筋肉の成長促進

    テストステロンは、筋肉量の増加を促します(注:もちろん、適切な食事と運動が前提です)。

    それから、若干の程度ですが、テストステロンには塩分など尿の排泄を抑制するはたらきがあるので、その結果、血圧を上げる可能性があります。

    なお、思春期に急に背が伸びて、骨格と筋肉が成長するのは、成長ホルモンと男性ホルモンが関係していると言われています。ところが、成長ホルモンと男性ホルモンのバランスはとても微妙で、思春期に男性ホルモンが多過ぎると、かえって骨の発育が止まってしまい、身長が伸びなくなってしまったり、副生殖器が肥大化するなど成長のバランスが崩れてしまいます。ですから、素人判断で「男性ホルモンで背を伸ばそう」とは絶対にお考えにならないでください。

    また、運動選手の中には、筋力や筋持久力の増強を目的に男性ホルモンを過剰投与して、ドーピングや副作用の問題を指摘されることがあります。
    これは、副作用が強く、天然に存在しない合成物質を、長期間にわたり過剰投与することで肝臓や腎臓、心臓に異常を来たすもので、大変危険です。

    ただし、弊社製剤「トノス」「ヘヤーグロン」「グローミン」に含まれるテストステロンは天然のものと全く同じ化学構造で低用量ですし、塗り薬なので飲み薬と比べて肝臓への負担も小さいので、弊社推奨のご使用方法をお守りいただければ、リスクはきわめて低いと考えております。

    4.性欲・性衝動の亢進

    いわゆる「性欲」「性衝動」は、テストステロンの作用です。

    異性を惹きつける体臭と言われるフェロモンを発生させて、ドーパミンという興奮作用のある神経伝達物質を増やします。

    そして、骨盤神経に作用して勃起を起こすなど、男性がセックスを行うために必要な「興奮」「勃起」などのスイッチを次々と立ち上げて行くはたらきがあるのです。

    男性の5~10%と、わずかながら女性も男性ホルモンを分泌していますが、男女にかかわらず、テストステロンは人間自身が分泌する、最も自然で強力な媚薬であり、天然の催淫薬なのかも知れません。

    5.脳や精神面への影響

      胎児から生後6ヶ月の間にかけて、テストステロンは大脳の性差に影響を及ぼすと言われています。その結果、例えば、ある種の男性的な攻撃性や気の短さ、怒りっぽさをはじめ、「物事のとらえ方」や「思考パターン」、「決断力」などの、「男らしい考え方」に影響すると言われています。

      テストステロンが精神面に及ぼす影響については様々な文献で解説されていますが、これらをまとめて表現すると、「粗っぽくてデリカシーが無いし、短気で怒りっぽい面もあるけれど、明るく前向きでたくましく、ワイルドでセクシー」な傾向に導くものだそうです。まるで娯楽映画に出て来るヒーローです。これに経験と知性にもとづく忍耐力と包容力、そして身体能力を身につけたら、かなり格好よい人物像かも知れません。

      しかし、何と言ってもテストステロンには「生きる活力」「生気」「気持ちの張り」といった、バイタリティを高める作用があると言われています。そのような観点で、男女の性差にかかわらず、テストステロンは人として前向きに生きるために必要なホルモンと言えましょう。

    前述の通り、女性も男性ホルモンを分泌していますが、大きな社会的責任を厭わず行動的に生きる女性の「心の基礎化粧品」として、今後、多くの女性がテストステロン補充を当たり前のように行う日が来るかも知れません。実際、有効性の根拠となる事実に基づく提唱が、一部の研究者で盛んになっているようです。ちなみに、弊社の男性ホルモン・クリーム「グローミン」の場合、「女性恥部無毛症」という建前であれば、ご使用になれます。お試しください(製品モニター承ります)。

    逆に、テストステロンを失うと、どうなってしまうか・・・。例えば、離婚や破産、裁判の敗訴など、争い事や勝負事に敗れて、大きな挫折感を味わったり、過剰な騒音や受験など過度のストレスにさらされた男性のテストステロンレベルが低下する、という指摘があります。成功の頂点にいるにもかかわらず、性機能の衰えやセックスの失敗を自ら認めて挫折感を味わったときをきっかけに、テストステロンが低下する悪循環に陥るのでは?という説もあります。

    挫折感を味わった男性の消極的な状況を、「女々しくなる」という表現で指摘する人がいます。これは女性的になるというよりも、テストステロンの低下で「男性的な思考傾向」が減退することなのかも知れません。

    続きを読む

1 / 11