更年期(男性): 2010年5月アーカイブ

【 目的 】
 男性は加齢とともに虚弱性が上がり、テストステロンは減少する。テストステロンはこの症状発現リスク因子と思われる。テストステロン・レベルが虚弱性と 関連しているか否かを調査した。

【 方法 】
 デザインは前向きのコホート研究。2001年から2004年の間に、70-88歳の地域住民男性3616例について虚弱性の測定を行った。
2008-2009年に67歳から93歳の1586例について虚弱性の再測定を行った。
虚弱性はFRAIL scaleにて測定した。これは5つのドメイン、疲労、一続きの階段の昇りの困難さ、100m以上の歩行の困難さ、5つ以上の病気、あるいは5%以上の体 重減少からなる。
 調査開始時にテストステロン、SHBGおよびLHを測定した。遊離テストステロンは計算により求めた。

【 結果 】
  • 開始時に15.2%(n = 548)が虚弱(3項目以上に該当)であり、フォローアップ期間中に23.0%(n = 364)に増加した。

  • 開始時、総および遊離テストステロンの1SDの減少は虚弱オッズの上昇と関連していた (各々OR = 1.23; 95% CI = 1.11-1.38, およびOR = 1.29; 95% CI = 1.15-1)。

  • 低LHは虚弱オッズの減少と関連していた(OR = 0.88; 95% CI = 0.81-0.95)。

  • 調整は年齢、BMI、喫煙、糖尿病、社会的支援および他の交落因子で行った。フォローアップでは遊離テストステロンの低下のみは虚弱を予測し た(OR = 1.22; 95% CI = 1.05-1.42)。

【 結論 】
 開始時およびフォローアップ時遊離テストステロンは虚弱性と関連していた。テストステロン療法は虚弱性の発現を防止できるか無作為試験が行われるべきで ある。

【 原著 】
J Clin Endocrinol Metab. 2010 Apr 21.

Low Free Testosterone Predicts Frailty in Older Men: The Health in Men Study.

Hyde Z, Flicker L, Almeida OP, Hankey GJ, McCaul KA, Chubb SA, Yeap BB.
Western Australian Centre for Health and Ageing, Royal Perth Hospital, Perth, Australia


【 弊社コメント 】
「遊離テストステロンの低下が虚弱を予測できる」という結果は、すなわちテストステロンの補充による虚弱防止効果を期待させますが、弊社製品の市場実績か ら確信させるものです。(福)
【 目的 】
 慢性心不全(CHF)は適正な治療にも拘わらず死亡率の高い、多く見られる疾患である。標準的治療は、CHFの特徴である代謝おおび神経ホルモンの異常の適正化である。蛋白同化作用の不足はCHF症候群の主要な成分であり、テストステロン補充療法が最近のトライアルのテーマとなっている。

【 最近の知見 】
 最近の論文では、生理学的なテストステロン補充療法により随意筋強度、非脂肪筋肉容量の適度な改善、神経筋および圧受容体反射に対する耐容性およびポジティブな効果がもたらされる事が明らかになった。長期的な効果及び安全性は研究されていない。

【 要旨 】
 テストステロン補充療法は慢性心不全患者の代謝および耐容性を改善する。広範囲な使用の前にさらに試験が必要である。
 慢性心不全患者を治療する医師はテストステロン療法を考慮するであろうが、内分泌専門医のアドバイスとサポートが必要である。

【 原著 】
Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes. 2010 Apr 16.

Testosterone and heart failure.

Malkin CJ, Channer KS, Jones TH.
Department of Cardiology Sheffield Teaching Hospitals NHS Foundation Trust, Sheffield, UK


【 弊社コメント 】
慢性心不全の治療に対して、生理学的な範囲内でのテストステロン補充療法が有用と期待されていますが、現時点では未だ長期的な効果及び安全性が確認できていないため、慎重な対応が必要とされています。(福)