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2012年11月アーカイブ

【 目的 】
年齢、テストステロン欠乏、海綿体の線維化および勃起不全(ED)の間の相関性を検討した。

【 方法 】
対象は2010年9月~2011年10月に登録したED患者47例。IIEF-EFスコア、NPTRテスト(リジスキャンによる夜間睡眠時陰茎勃起硬度測定)、総および遊離テストステロン(TTおよびFT)、および海綿体生検を全例に行った。65歳以上を高齢者(OA)、65歳未満を若年者(YA)とそた。関係性の強度はオッズ比にて求めた。

【 結果 】
  • 陰茎海綿体に52%以上のコラーゲン線維化がある患者の74%は器質性のEDであった。

  • リジスキャン陽性(PR)と陰性(NR)の患者間で年齢、コラーゲン線維化%およびテストステロン・レベルに有意な差異が認められた。

  • 低テストステロンはPRを伴うEDリスクを上昇し(OR: 21.4, 95% CI: 20.2-22.6)。 これは若年者 (OR: 4.3, 95% CI: 2.4-6.2) および高齢者 (OR: 15.5, 95% CI: 13.4-17.6)の両者で認められた。

  • 海綿体の線維化はPRを伴うEDリスクを若年者(OR: 8.2, 95% CI: 6.4-10.0 )および高齢者(OR: 24.6, 95% CI: 20.8-28.4)で上昇した。

【 結論 】
年齢、テストステロン欠乏および海綿体線維化とPRを伴うEDの間に強い関連性が認められた。 年齢、テストステロン欠乏および海綿体線維化は器質性EDおよび海綿体線維化の修正因子と考えられる。 テストステロン補充あるいはPDE5阻害剤が海綿体線維化リスクを下げるかあるいはED患者の線維化強度を下げるか検討が必要である。

【 原著 】
BMC Surg. 2012 Nov 15;12 Suppl 1:S24. Epub 2012 Nov 15.
Testosterone deficiency causes penile fibrosis and organic erectile dysfunction in aging men. Evaluating association among Age, TDS and ED.
Iacono F, Prezioso D, Ruffo A, Illiano E, Romis L, Di Lauro G, Romeo G, Amato B.
Department of Urology, University "Federico II" of Naples, Naples, Italy.



【 目的 】
近年の研究はテストステロン・レベルと前立腺癌(PC)の間に負の関係を示している。PC診断におけるホルモン・パターンの有用性に関しては異論が多い。そこで、ホルモンパターンとPCの関係およびPCリスク評価のホルモン・レベルのカットオフ値を検討した。

【 方法 】
2006年11月~2009年5月の間に前立腺生検を行った279例について遡及的解析を行った。前立腺生検の適応の指標は直腸診(DRE)の結果、あるいはPSAの上昇によるPCの疑いである。スクリーニングは5+5コア経直腸超音波ガイド前立腺生検で行った。年齢、前立腺容積、DRE(正常または異常)、生検所見(正常またはPC)、PSA、遊離型/総PSA比、PSA密度、テストステロン(T)およびSHBGを遡及的に調査した。遊離およびバイオアベイラブル・テストステロン(BT)はVermeulen's formulaを用いて求めた。

【 結果 】
  • 多変量解析において、DREの異常、SHBG levels ≥ 66.25 nmol/l、およびBT≤ 104 ng/dlが前立腺癌の診断と関係していた。オッズ比は各々 5.46, p < 0.001、3.27; 95%CI 1.52 to 7.04, p < 0.002、および4.92, 95% CI 1.78 to 13.59, p = 0.002であった。

  • 年齢、FT、PSA、T、PSA/T、PSA/FTおよびPSA/BTはPCの診断と関係していなかった。

【 結論 】
低バイオアベイラブル・テストステロンおよび高SHBGは生検による前立腺癌検出リスクが4.9および3.2倍高かった。この事実は前立腺癌リスクについてカウンセリングする患者さんの臨床的シナリオに有用である。

【 原著 】
Scand J Urol Nephrol. 2012 Nov 27.
Higher sex hormone-binding globulin and lower bioavailable testosterone are related to prostate cancer detection on prostate biopsy.
García-Cruz E, Carrión Puig A, García-Larrosa A, Sallent A, Castañeda-Argáiz R, Piqueras M, Ribal MJ, Leibar-Tamayo A, Romero-Otero J, Alcaraz A.
Urology Department, Hospital Clínic Barcelona , Barcelona , Spain.


【 背景 】
世界の先進国において、男性は女性よりも早期に心血管疾患(CVD)を発症し、寿命が5~10年短い。 男性において低総テストステロン(TT)が新たなCVDリスク因子として提示されているが、その影響の性差については研究が非常に少ない。

【 方法 】
縦断的研究 Study of Health in Pomerania, Germany. のコホートから年齢20~79歳の4152例(男性2113例および女性2039例)のデータを用いた。
多変量ポアソンおよびCox比例ハザードモデルを用い、心血管疾患(フォローアップ期間5年間)、全原因死亡およびCVD死亡(フォローアップ期間10年間)リスクを解析した。加えて、男性において低TT(<10th percentile)に起因するリスクを評価した。

【 結果 】
  • 男性は女性に比して、過体重、高血圧、脂質異常、メタボリック・シンドロームおよび2型糖尿病を含め血管疾患のリスクが一様に高かった。

  • 男性は女性に比して全原因死亡(hazard ratio = 2.05; 95% CI, 1.61-2.60)および10年CVDリスクが上昇していた。

  • サブグループ解析において、低TTの男性は残りの高TTの男性および女性に比して10年CVDおよび死亡リスクが高かった。

  • TTはフラミンガム・リスク・スコアによる心血管リスクとネガティブに関連していた(P < 0.001)。

【 結論 】
大規模集団の解析において、男性は全般的に心血管疾患罹患および死亡のリスクが高かった。さらに低TTの男性は10年CVDおよび死亡リスクが高かった。

【 原著 】
Gend Med. 2012 Nov 19. pii: S1550-8579(12)00189-1.
Low Testosterone Concentrations in Men Contribute to the Gender Gap in Cardiovascular Morbidity and Mortality.
Haring R, John U, Völzke H, Nauck M, Dörr M, Felix SB, Wallaschofski H.
Institute of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine, University Medicine Greifswald, Greifswald, Germany

【 目的 】
テストステロンおよびSHBGとメタボリック・シンドローム(MS)の性依存性の関連性を検討した。

【 方法 】
年齢45~74歳(中央値63.7歳)の地域在住成人9424例を対象に横断的調査を行った。MSの判定はNCEP‐ATP IIIの最新版に従った。総テストステロン(TT)およびSHBGは化学発光微粒子免疫法により測定し、遊離テストステロン(FT)は計算により求めた。

【 結果 】
  • 多変量解析において、TTは男性のMSと負に関連していたが(各標準偏差上昇毎のOR, 0.70; 95% CI, 0.65-0.76)、女性ではポジティブに関連していた (OR, 1.17; 95% CI, 1.10-1.24)。

  • FTは女性においてのみMSとポジティブに関連していた(OR, 1.39; 95% CI, 1.30-1.49)。

  • しかし、SHBGは男性および女性ともにMSとネガティブに関連していた(男性:OR, 0.57; 95% CI, 0.52-0.61、女性:OR, 0.61; 95% CI, 0.57-0.66)。

【 結論 】
高TTは男性ではMS発現率の低下と、女性ではMS発現率の上昇と関連していた。高SHBGは男女ともにMSの低下と関連していた。この結果は内因性テストステロンおよびSHBGとMSとの関連性に性差がある事を示している。

【 原著 】
Circ J. 2012 Nov 27.
Sex Differences in the Associations of Testosterone and Sex Hormone-Binding Globulin With Metabolic Syndrome in Middle-Aged and Elderly Koreans.
Kweon SS, Shin MH, Nam HS, Jeong SK, Park KS, Choi JS, Lee YH.
Department of Preventive Medicine, Chonnam National University Medical School.


【 弊社コメント 】
性差に関してはこれまでも報告されています。男性でMSに対してFTよりもTTが関連するという結果も最近の日本性機能学会、日本メンズヘルス学会での報告と同じで、LOHの診断は別としてTT測定の意義が浮かんできます。男性で高SHBGがどうしてMSの低下と関連するかは分かりません。(野)
【 目的 】
アンドロゲン受容体(AR)のGGC繰り返し多型はアンドロゲン反応性遺伝子の転写活性に影響し、前立腺肥大症(BPH)および前立腺癌(PCa)のリスクを上げる。そこで、南ブラジルの男性集団におけるGGC繰り返し長、テストステロン・レベルおよびPCaおよびBPH発現リスクの間の関連性を検討した。

【 方法 】
PCa患者130例、BPH患者126例およびコントロール患者88例について検討した。DNAは白血球より抽出し、分画分析により解析した。ハザード比(HR)を測定した。

【 結果 】
  • GGC平均長は3群間で差異がなかった。

  • GGC > 19の集団のPCa発現リスクはGGC ≤ 19群と比較したとき3.300 倍(95 %CI 1.385-7.874)高かった (p = 0.007)。

  • 総テストステロン<4 ng/mL群のPCaおよびBPH発現リスクは2.799倍 (95 % CI 1.362-5.754). (p = 0.005) および2.786倍 (95 % CI 1.470-5.280) (p = 0.002)高かった。

  • GGC > 19群の総テストステロンはGGC ≤ 19群より有意に低かった。

【 結論 】
アンドロゲン受容体のGGC繰り返し長の上昇はPCaおよびBPHリスクの上昇と関連し、低テストステロンもこれら疾患の発現リスクの上昇を示唆した。

【 原著 】
Mol Biol Rep. 2012 Nov 27.
Androgen receptor GGC polymorphism and testosterone levels associated with high risk of prostate cancer and benign prostatic hyperplasia.
Biolchi V, Neto BS, Pianta DB, Koff WJ, Berger M, Brum IS.
Department of Physiology, Universidade Federal do Rio Grande do Sul, Porto Alegre/RS, Brazil


【 弊社コメント 】
疾病の有無の3群間で比較するとGGC繰り返し長に差がないが、GGC繰り返し長で分けてみるとPCaおよびBPHリスクに差があるという、一見しては理解しずらいところもあります。 テストステロン感受性の面からみれば理解できます。 これまでCGA多型について多数報告がありましたがGGC繰り返し長という切り口は初めてです。(野)

低過ぎるテストステロン状態」が前立腺肥大症や前立腺癌のリスクを高める、という機序の一端が示されました。(福)


【 要 約 】
閉経後のエストロゲン欠乏は泌尿器官の萎縮症状を招く。 症状としては膣の乾燥、膣および外陰部の刺激感、膣の痛み、排尿痛、膣の下垂、膣の臭い、膣の感染、再発性尿路感染、性交痛および性交にともなう出血がある。

膣萎縮症状の頻度および影響にも関わらず、相談しないことが多く、従い治療されないケースが多い。 それゆえ閉経女性のケアには膣萎縮の診断および外陰・膣の健康度、セックスおよびQOLの問題にかかわる症状のを探る医師と患者との会話が必要である。

超低用量 10μgエストラジオール膣錠の開発は、最少の有効なホルモン用量に関する監督機関および女性健康医学会の要望に沿ったものである。

有効性および安全性、加えて極めて低い全身的吸収のため、年間のエストラジオール用量が 1.14㎎にすぎない 10μg膣錠は、ヘルスケア関係者および閉経女性に大きな安心感を与える事ができる。

【 原 著 】
Menopause Int. 2012 Mar;18(1):15-9.
Treatment of postmenopausal vaginal atrophy with 10-μg estradiol vaginal tablets.
Panay N, Maamari R.
Queen Charlotte's & Chelsea Hospital, & Westminster Hospitals, London, UK.


【 弊社コメント 】
年間 1.14㎎の算定は、使用回数が週2~3回にもとづいているようです(毎日なら3.65㎎)。(野)

バストミンを臨床応用中の医師から、バストミンの塗布は週2~3回で良いというコメントをいただいています。 萎縮性膣炎に対する超低用量なエストロゲン補充は、バストミンでも塗布量を抑えながら塗布頻度を間引くことにより、本報のエストラジオール膣錠に近い考え方で出来ると考えております。(福)

【 背 景 】
膣内エストラジオール(VE)は乳癌生存者における全身的エストロゲン療法の安全な代替療法として提案されている。

【 方 法 】
対象はエストロゲン受容体陽性乳癌あるいはハイリスク乳癌の閉経女性(n = 24)で、アロマターゼ阻害剤(AI)あるいはSERMの投与を受け、萎縮性膣炎のため90日以上のVE(リングおよび錠)を使用していた。コントロールとしてAIの投与のみの24例。
採血はVEリング患者では新しいリング装着前および装着30日および60日後に、VE錠患者では挿入前の朝および挿入12時間後に、コントロール患者では1回のみ行った。血清E2はエーテル抽出後高感度RIAにて測定した。

【 結 果 】
  • 平均E2はコントロール群で 3.72pmol/L (range, < 3.0-7.7 pmol/L)、VEリング群の装着前および装着12週後のE2はコントロールより有意に高かった(各P < .001 )。

  • VE錠群の挿入前E2はコントロール群と差異がなく、挿入後は 76pmol/Lで挿入前より有意に高かった(P < .001)。

【 結 論 】
VE療法はE2レベルを上げる。VE錠使用患者の挿入前のE2はコントロールと比較して上昇がみられず、VE錠によるE2の上昇は持続的ではないことが示唆された。 VE療法は剤型に限らず血清E2を上昇する、したがい使用には注意が必要である。

【 原 著 】
J Oncol Pract. 2012 May;8(3):144-8. Epub 2012 Feb 7.
Effects of vaginal estrogens on serum estradiol levels in postmenopausal breast cancer survivors and women at risk of breast cancer taking an aromatase inhibitor or a selective estrogen receptor modulator.
Wills S, Ravipati A, Venuturumilli P, Kresge C, Folkerd E, Dowsett M, Hayes DF, Decker DA.
William Beaumont Hospital, Royal Oak; University of Michigan Comprehensive Cancer Center, London, United Kingdom.

【 コメント 】
使用24時間後には有意な上昇が認められない点が、バストミンと同様です。(野)

エストロゲン受容体陽性の乳癌の人に対するエストロゲンは絶対禁忌で、癌の進行や再発を防止する観点から抗エストロゲン剤の投与などで徹底的にエストロゲンを排除することになります。 しかしながら、エストロゲンの欠乏による萎縮性膣炎などQOLの低下が避けられません。 そこで、膣内に局所的なエストロゲン補充をする程度であれば、全身的なエストロゲン投与を避けながら萎縮性膣炎に対処できると考えたようですが、短時間とはいえ全身的なエストロゲンの上昇が見られたので、乳癌の進行や再発に対する注意が必要、という話と思われます。(福)

【 目的・方法 】
性機能障害(SD)あるいは勃起不全(ED)の高齢男性はしばしば補完代替医療(CAM)を用いる。このレビューはCAMの有効性に対するエビデンスの評価を厳密に行った。
全ての関連性のあるシステマティック・レビュー(SR)を見出すため6つの電子データベースを調査した。方法論的質はOxman scoreを用いて独立した2人のレビュアーにより評価した。

【 結 果 】
  • 4つのSRが基準に合致していた。鍼治療、チョウセン人参、マカおよびヨヒンビンである。

  • 全SRの方法論的質は "good" である。しかし、ベースの研究はバイアスのリスクが無視できない程度にある。

  • 結論としてEDの治療オプションにヨヒンビンおよび朝鮮人参が取り上げられている。

  • 鍼治療およびマカはEDおよびSDに対するエビデンスが不十分である。

【 結 論 】
若干の強いエビデンスはあるがSDおよびEDに対するCAMの価値を確立するため、多くの質の高い研究が必要である。

【 原 著 】
Maturitas. 2011 Sep;70(1):37-41. Epub 2011 Jul 22.
Complementary and alternative medicine (CAM) for sexual dysfunction and erectile dysfunction in older men and women: an overview of systematic reviews.
Ernst E, Posadzki P, Lee MS.
Complementary Medicine, Peninsula Medical School, University of Exeter, Exeter, UK

【 弊社コメント 】
著者のErnst Eは、ヨヒンビンのシステマティック・レビューを行った人です。原著での確認が必要ですが、ヨヒンビンに関して新たなデータはないと思われます。 ヨヒンビンの位置づけが補完代替医療(CAM)になっています。(野)

補完代替医療の社会的背景は、公的医療費の削減にあると思いますが、欧米でヨヒンビンが根拠のある補完代替医療の選択肢として認められることは、本邦におけるヨヒンビン製剤がOTC(市販薬)としてED治療の選択肢である現状を支持すると考えます。(福)

【 目的・方法 】
α2Aアドレノ受容体の過剰発現がGKラットの2型糖尿病の原因となっている。 α2受容体の阻害がランゲルハンス島の血流量に影響するか否かを検討した。
麻酔GKおよびウィスターF(WF)ラットにα2Aアドレノ受容体拮抗剤ヨヒンビンを 2.5mg/kg 静脈内に投与し、膵島血流量および血糖レベルを測定した。

【 結 果 】
  • GKラットはWFラットより血糖値およびインスリン濃度が高かった。 ヨヒンビンはWFラットにおいてはこれらに影響しなかったが、GKラットにおいては血糖値を下げインスリン濃度を上昇した。

  • 全膵臓および膵島血流量はGKラットにおいてWFラットに比して上昇していた。 ヨヒンビンはWFラットの血流量には影響しなかったが、GKラットの膵島血流量をWFラットのレベルに減少した。

【 結 論 】
α2アドレノ受容体の過剰発現がGKラットの血流量上昇の原因となっている可能性がある。 薬理学的に治療の標的となりうる。

【 原 著 】
Horm Metab Res. 2012 Sep 26.
The α2-Adrenoceptor Antagonist Yohimbine Normalizes Increased Islet Blood  Flow in GK Rats: A Model of Type 2 Diabetes.
Sandberg M, Pettersson U, Henriksnas J, Jansson L.
Department of Medical cell Biology, Uppsala University, Uppsala, Sweden.


【 弊社コメント 】
ヨヒンビンに新たな可能性があるかもしれません。(野)

GKラットは2型糖尿病モデルのラットですが、2型糖尿病の原因と言われるα2受容体の異常発現を、α2ブロッカーであるヨヒンビンで阻害することにより、2型糖尿病であるGKラットの血糖値を下げたとのことです。 2型糖尿病に合併したEDの男性には、ヨヒンビン製剤に血糖値低下の副効用があるかも知れません。
ただし、本報の「2.5mg/kg 静脈内に投与」というのは、体重60kgの人であれば、実にヨヒンビン 150mg(弊社製品「ガラナポーン」30錠分相当)を血中に直接投与するわけで、人であれば極めて危険ですし、そもそもヨヒンビンは2相性の作用があり、低用量と高用量では作用が異なるという指摘もありますので、検証・確認すべき課題は多々あります。(福)

【 目的 】
 女性の性欲低下は、性的シグナルに対する脳の相対的な非感受性が原因と思われる。 テストステロン(T)0.5mgの舌下投与は性的シグナルに対する脳の感受性を上げる。 脳の性的刺激はPDE5阻害剤による性器の性的反応の上昇に不可欠である。 したがって、T+PDE5阻害剤の併用は性的反応を、特に性的シグナルに対して低感度の女性において増強する。 そこで、T+PDE5阻害剤のオンデマンドの使用が性機能を改善するという仮説を、性的シグナルに対する感受性低下の結果として低性欲障害(HSDD)を起こしている女性において検証した。

【 方法 】
 56名のHSDD患者を対象に無作為、ニ重盲検、プラセボ比較、クロスオーバー試験をおこなった。 治療レジメはプラセボ、T+PDE5阻害剤およびT+セロトニン(1A)受容体拮抗剤である。
主要評価項目は、自覚所見として性的満足度、性器興奮の有無、性欲。 生理学的所見として膣のパルス強度。
Cognitive: preconscious attentional bias.

【 結果 】
 T+PDE5阻害剤は、プラセボと比べて生理学的および自覚的性機能を有意に改善した。

【 結論 】
 T+PDE5阻害剤のオンデマンド投与は、性的シグナルに非感受性の低性欲障害女性の治療に有用である。

【 原著 】
J Sex Med. 2012 Nov 6.
Toward Personalized Sexual Medicine (Part 2): Testosterone Combined with a PDE5 Inhibitor Increases Sexual Satisfaction in Women with HSDD and FSAD, and a Low Sensitive System for Sexual Cues.
Poels S, Bloemers J, van Rooij K, Goldstein I, Gerritsen J, van Ham D, van Mameren F, Chivers M, Everaerd W, Koppeschaar H, Olivier B, Tuiten A.
Emotional Brain B.V., Almere, The Netherlands Utrecht Institute for Pharmaceutical Sciences and Rudolf Magnus Institute of Neuroscience, Utrecht University, Utrecht USA.


【 目 的 】
 テストステロン・レベルの変化は幾つかの老化現象と関連している。 加齢に伴うテストステロンの低下と骨の健康状態、握力、体脂肪率および体脂肪量の変化との関係を調査した。

【 方 法 】
 対象は年齢40歳以上のマレーシアの中国系およびマレー系男性335例である。 体組成、踵骨実音速および握力の測定、採血を行った。 年齢、テストステロン・レベルおよび加齢に伴う変化との関係を直線回帰分析により検討した。

【 結 果 】
  • テストステロン、SHBG、踵骨実音速、握力、体脂肪率および非脂肪容量は年齢と共に有意に変化していた(p < 0.05)。

  • バイオアベイラブルおよび遊離テストステロンの加齢に伴う低下は踵骨実音速、非脂肪容量および握力の減少と有意に関連していた(p < 0.05)。

【 結 論 】
 テストステロン・レベルは骨健康状態、握力および体組成の加齢に伴う変化と関連し、その関係は年齢依存性であった。

【 原 著 】
Aging Male. 2012 Oct 26.
Testosterone is associated with age-related changes in bone health status, muscle strength and body composition in men.
Chin KY, Soelaiman IN, Mohamed IN, Shahar S, Mohd Fahmi Teng NI, Mohd Ramli ES, Ahmad F, Aminuddin A, Wan Ngah WZ.
Department of Pharmacology, Faculty of Medicine, Universiti Kebangsaan Malaysia.




【 目 的 】
 EDの原因の一部はホルモンである。しかし、65歳以上の男性ではテストステロン欠乏が大きな要素となっている。 しかしながら、健康状態が良好ではない65歳以上のポーランド人男性における、EDを合併するテストステロン欠乏症の頻度は分かっていない。

【 方 法 】
 EDを有する65歳以上の男性286例について勃起機能をIIEF5による調査を行い、テストステロンを測定した。

【 結 果 】
  • テストステロン欠乏症の発現頻度はTT200, 250, 300 および 350 ng/dL以下がそれぞれ17, 33, 42 および 57%であった。正常範囲(>350 ng/dL)の男性は47%に過ぎなかった。
    (訳注: どちらかの数値に誤りがあります)

  • EDの程度はテストステロン最下位群で最も高く、軽度が 39.5%、軽度~中等度が 26.2%、中等度が18.2% および重度が16%であった。

  • 年齢とTTの間(r = -0.3328, p < 0.05)、IIEF-5 スコア と TTの間(r = -0.3149, p < 0.05) およびIIEF-5 スコアと年齢の間(r = -0.3463, p < 0.05)に それぞれ負の相関関係が認められた。

  • 最も多く認められたメタボリックな以上は肥満(68% in men with TT >350 ng/dLで68%、 TT <350 ng/dLで91%) および脂質異常(それぞれ54 および95%)であった。

  • 肥満、年齢および脂質異常はテストステロンの低下と相関していた。

  • 空腹時血糖の異常はテストステロンに影響されなかった。

【 結 論 】
 テストステロン欠乏症はEDを有するポーランド人男性に高頻度に認められ、年齢、肥満および脂質異常と負相関している。

【 原 著 】
Aging Male. 2012 Oct 24.
The high prevalence of testosterone deficiency in population of Polish men over 65 years with erectile dysfunctions.
Rabijewski M, Papierska L, Kozakowski J, Zgliczyński W.
Department of Endocrinology, Medical Centre for Postgraduate Education , Warsaw , Poland.


【 弊社コメント 】
EDを有する高齢男性のテストステロン欠乏の頻度は、ありそうなデータですが、具体的にはなかなか出て来ないので、貴重です。(野)


【 要 約 】
 テストステロン欠乏症はED患者のPDE5阻害剤の臨床効果を低下すると思われる。 性腺機能低下患者において、テストステロン補充はシルデナフィルあるいはタダラフィルによる治療に効果の無かった患者の性機能の亢進と関連している。

 そこで、PDE5阻害剤単独療法で効果がなかったEDおよび低~正常下限テストステロンレベルの男性におけるテストステロンとPDE5阻害剤併用療法を検討した臨床試験のレビューを行った。

 調査した臨床試験は幾つかが方法論的欠点があり、様々なものがあった。 全体的にはPDE5阻害剤へのテストステロンの付加は、単独療法に効果がなく、総テストステロン値が 300ng/dL 未満のED患者に有用と思われる。

 無作為コントロール比較ニ重盲検試験が必要であり、それにより適正な対象、テストステロンのカットオフ値、用量、併用期間を定める必要がある。


【 原 著 】
Can Urol Assoc J. 2012 Aug;6(4):269-74
Synergetic effect of testosterone and phophodiesterase-5 inhibitors in hypogonadal men with erectile dysfunction: A systematic review.
Alhathal N, Elshal AM, Carrier S.
Division of Urology, Department of Surgery, McGill University, Montreal, QC.


【 弊社コメント 】
テストステロンの分泌が低い人で、PDE5阻害剤(バイアグラ・レビトラ・シアリス)だけではEDが改善できない人の場合に、PDE5阻害剤とテストステロン補充の併用療法が有用と思われます。 ただし、それを言い切るために必要となる厳格な研究は、未だ十分に出来てないようです。(福)


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