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2012年2月アーカイブ

【 目的 】
 ビタミンD (25(OH)D)および遊離テストステロン(FT)の低値は共に死亡率の上昇と関連している。実験的研究は、ビタミンDおよびアンドロゲン代謝の複雑な相互作用が臨床的予後の悪化と関連する事を明らかにしている。
 高齢男性の大規模コホートにおけるFTおよび(25(OH)D)、両者の欠乏の影響を調査した。

【 方法 】
 対象はルーチン検査にて冠動脈造影(1997~2000)を行った男性2069例で、総テストステロン(TT)、SHBG および (25(OH)D)を測定した。

【 結果 】
  • 多変量調整分析の結果、全原因死亡、心血管疾患死亡および非血管疾患死亡のリスクは低FTおよび(25(OH)D)群で上昇していた。すなわち、4分位の最低群と最高位群のハザードリスク比は、FTで各々HR 1.26 [1.03-1.54], 1.24 [0.96-1.60], および 1.39 [1.00-1.93]、25(OH)Dで各々HR 1.77 [1.47-2.13], 1.65 [1.29-2.10], および 1.89 [1.38-2.60] であった。

  • TTと死亡率の間に独立した関連性はなかった。

  • 多変量調整HRはホルモンの欠乏数とともに上昇した。すなわち最低位4分位のホルモン数0 vs 2のHRは全原因死亡2.11 [1.60-2.79、心血管死亡1.77 [1.23-2.55] および非心血管疾患死亡2.33 [1.45-3.47] であった。
【 結論 】
 冠動脈造影を行った高齢男性において、遊離テストステロンおよびビタミンD両者の低下が致死的なイベントと関連していた。

【 原著 】
Clin Endocrinol (Oxf). 2012 Feb 22.
Combination of low free testosterone and low vitamin D predicts mortality in older men referred for coronary angiography.
Lerchbaum E, Pilz S, Boehm BO, Grammer TB, Obermayer-Pietsch B, Marz W.
Department of Internal Medicine, Division of Endocrinology and Metabolism, Medical University of Graz, Graz, Austria.


【 弊社コメント 】
「バランスの取れた食生活」「適度な運動・適度な日光浴」「規則正しい生活リズム」「ストレスの発散」という、健康的な生活習慣が、テストステロンやビタミンDの不足を防ぐ養生訓になりそうです。

テストステロンもビタミンDも、体内で産生する時の出発物質(原料)は、コレステロールですが、あくまで偏食や過剰なダイエットによってコレステロール不足に陥るのが問題であって、コレステロールを過剰に摂取しても弊害があることは皆様ご存知の通りです。善玉と言われるHDLなら摂りすぎても良いのでしょうが、肉食・洋食・ファーストフードで育った現代人にとって、低カロリーな和食メニューだけの日々・・・というのも、味気なくてストレスになるかも知れません。
ちなみにビタミンDは魚類の肝臓に多く含まれるとのことで、しらす干し、焼いた紅鮭、いわし、さんま、さば、など、これも和食の焼き魚メニューを連想します。まさに和食は健康的なメニューです。

なお、ビタミンDは日照不足・日光浴不足で欠乏症状に陥ることも良く知られていますが、これも極端な不足が問題なのであって、過剰な日光浴は皮膚に弊害がありますし、十分に日光を浴びている人はビタミンDが多いかと言えば、必ずしもそうではないようです。

何事も偏らずにバランス良く、ほどほどに・・・というのが、養生訓の真髄なのかも知れません。(福)

【 目的 】
 IVF(体外受精)の低レスポンダーの妊娠成功の可能性に対するアンドロゲン(男性ホルモン)あるいはアンドロゲン様薬剤の評価関するメタ解析を行った。

【 方法 】
 低レスポンダーに対して卵巣刺激前あるいは中にテストステロン、DHEA、アロマターゼ阻害剤、rLHおよびrhCGの無作為コントロール比較試験についてMedline, EMBASE, CENTRAL, Scopus および Web上の科学的データベースにて調査を行った。

【 結果 】
  • 163例の患者を対象とした2試験において、経皮テストステロンは妊娠[RD: +15%,95% CI +3 to +26%]および生存出生率(RD: +11%, 95% CI: +0.3 to +22%)の増加と関連していた。

  • DHEAには妊娠および生存出生率に有意な影響が見られかった。

  • 同様に (i) アロマターゼ阻害剤の使用、 (ii) rLH の付加、および、(iii) rhCG の付加は、妊娠率に有意な影響を示さなかった。

  • 提供されたデータにおいてのみ、rLHによる生存出生率の増加が認められた (RD:+19%, 95% CI:+1 to +36%)。

【 結論 】
限られたエビデンスではあるが、経皮テストステロンはIVFの低レスポンダーにおいて妊娠および生存出生率を増加する。rLH, hCG, DHEA あるいは letrozole 投与の有用性示すデータは不十分である。

【 原著 】
Hum Reprod Update. 2012 Feb 3.
The use of androgens or androgen-modulating agents in poor responders undergoing in vitro fertilization: a systematic review and meta-analysis.
Bosdou JK, Venetis CA, Kolibianakis EM, Toulis KA, Goulis DG, Zepiridis L, Tarlatzis BC.
Unit for Human Reproduction, 1st Department of Obstetrics and Gynecology, Medical School, Aristotle University of Thessaloniki, Greece.


【 弊社コメント 】
女性不妊治療において、排卵誘発などで治療に難渋しているケースがあるなか、海外では経皮吸収で低用量のテストステロンを投与することで良好な結果が報告されています。本邦においても、経皮吸収の低用量テストステロン製剤であるグローミンを用いた臨床応用が検討されています。不妊で切実な状況にある方々へ、そして、少子化問題が叫ばれる日本に、微力でもお役に立ちましたら幸甚に存じます(福)。

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