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2011年9月アーカイブ

【 目的 ・ 方法 】
 テストステロンは権力、支配、社会的地位および侵略・攻撃と関連している。しかし、個人の情動的体験に対するテストステロンの状況的変化に関しては研究されていない。権力、支配、社会的地位および侵略・攻撃に関連した怒りをベースにして、テストステロンが個人の怒りの体験とユニークに関連していると予測した。
 怒りの誘発前後において唾液中テストステロンおよびコルチゾールを測定した。

【 結 果 】
 予測どおり、怒りはテストステロンの上昇と関連していた。しかしコルチゾールは無関係であった。この結果は個人の情動的体験がテストステロンの変化と関連する事を示す最初のエビデンスである。

【 原 著 】
Emotion. 2011 Sep 12.
Anger and testosterone: Evidence that situationally-induced anger relates to situationally-induced testosterone.
Peterson CK, Harmon-Jones E.


【 弊社コメント 】
LOH症候群のように、テストステロンの分泌不足に陥った際の不定愁訴の中には、イライラしたり怒りっぽくなる場合があるようです。
本報が示すように、怒りがテストステロンの上昇につながるとすれば、テストステロン不足の状態を自律回復させるために怒りの感情が起きやすくなり、身体の恒常性(ホメオスタシス、ホメオステイシス、ホメオステーシス)を維持させようとする人間の摂理なのかも知れません。(福)

【 目 的 】
 術前のテストステロン値とグリソンスコアおよび優勢型による前立腺癌の悪性度との関連性を検討した。

【 方 法 】
 2007年1月から2011年1月の間に前立腺切除のため受診した患者の、術前の血清総テストステロンを測定した。グリソンスコアおよびグリソンパターンを前立腺生検および前立腺組織標本にて判定した。試験はプロスペクティブに行い、登録症例数は431例である。

【 結 果 】

  • 生検において、グリソンパターン4は72例(17%)に認められた。

  • 前立腺標本において、グリソンパターン4は132例(31%)に認められた。

  • グリソンパターン4の132例の総テストステロンはグリソンパターン3の299例より有意に低かった(4.00 vs 4.50 ng/ml, p = 0.001)。
    また、PSAは高く (8.4 vs 6.6 ng/ml, p <0.00001), 前立腺外への伸張およびポジティブな範囲が目立った(49% vs 20% and 23% vs 14%, p<0.000001 and 0.02, respectively)。

  • 総テストステロンが3.0 ng/ml以下の62例は高いBMI (mean 0.5 kg/m(2), p<0.000001)を伴い、より大きかった(mean 7 kg, p = 0.0001)。
    これらの群ではグリソンパターン4の比率が高かった(47% vs 28%, p = 0.002)。

【 結 論 】
 低テストステロンは進行型前立腺癌を示すグリソンパターン4の高比率と関連していた。腫瘍の進行度は生検では正確に推定できない。術前のテストステロン値は前立腺癌の管理の改善のためPSA測定に加えられるべきである。

【 原 著 】
J Urol. 2011 Aug 17.
High Incidence of Predominant Gleason Pattern 4 Localized Prostate Cancer is Associated With Low Serum Testosterone.
Botto H, Neuzillet Y, Lebret T, Camparo P, Molinie V, Raynaud JP.
Department of Urology, Foch Hospital, Suresnes, France.


【 弊社注釈 】 グリソン・パターンの定義

前立腺癌の形態は「グリソンパターン (グリソン分類)」として次の5つに分類されており、また悪性度(俗に言う「癌細胞の顔つき」)は、国際的にグリソンスコアで表現されています。

Gleason pattern 1
均一で独立した中型腺管が密在し、明瞭な結節を作る。

Gleason pattern 2
上記と同様の結節が認められるが、部分的な最小限の浸潤傾向、やや低い腺管密在性、軽度の大小不同が見られる。

Gleason pattern 3
明瞭な管腔を有する独立腺管よりなる。pattern 1,2と異なり既存の非腫瘍性腺管の間に浸潤する。腺管は概して小型であるが中型~大型のこともありうる。篩状腺管は小型で境界が完全に平滑なものが含まれるが、ごく稀である。

Gleason pattern 4
癒合腺管、篩状腺管、hypernehromatoid、不明瞭な腺管形成を示すもの

Gleason pattern 5
充実性、索状、孤在性、面疱状壊死


【 弊社コメント 】
進行度の高い前立腺癌の人は、テストステロン値が有意に低いとのことですが、前立腺癌の進行がテストステロンを低くするのか、それともテストステロン分泌の低い状態が前立腺癌の進行度を高めてしまうのでしょうか?興味は尽きません。(福)

【 目的 】
 現在のところ、広く認められた女性の正常テストステロン値はない。そこで、正常な月経周期を有する閉経女性のテストステロンおよびSHBG値の正常範囲の測定を行った。

【 方法 】
 健康で、正常な月経周期の女性(年齢18~49)、161例の総・遊離および生物学的テストステロンおよびSHBGを測定した。採血は月経周期の卵胞期、中期および黄体期のそれぞれ早朝に行った。
 30歳代の女性を代表として、パーセンタイルとともに月経周期相を通じた平均、中央値および加重平均ホルモン値を求めた。

【 結果 】
  • テストステロンは加齢とともに低下していたが、SHBGには加齢による変化がなかった。

  •  総・遊離および生物学的テストステロンおよびSHBGの正常範囲を5th および 95thパーセンタイルにより設定した。

  • 30歳代女性の5th および 95thパーセンタイルは総テストステロンが15~46ng/dL (520~1595 pmol/L)、遊離テストステロンが1.2~6.4pg/mL (4.16~22.2 pmol/L)、計算遊離テストステロンが1.3~5.6pg/mL (4.5~19.4pmol/L)、生物学的 1.12~7.62ng/dL (38.8~264.21pmol/L)およびSHBG が18~86nmol/Lであった。

  • 月経周期間のホルモンおよびSHBGの変化はこれまでの報告と一致していた。

【 結論 】
 月経中期におけるテストステロンの上昇は全体的な変動に比して小さく、それゆえ、この正常範囲が月経周期のいずれの日に関わらず適用できる。

【 原著 】
J Sex Med. 2011 Jul 19.
Testosterone Reference Ranges in Normally Cycling Healthy Premenopausal Women.
Braunstein GD, Reitz RE, Buch A, Schnell D, Caulfield MP.
Cedars-Sinai Medical Center, Los Angeles, CA, USA


【 弊社コメント 】
これまでの報告と差異はありません。男性の約10分の1です。 月経周期による変化は少ないという事が明らかにされています。(野)

男性の生理的範囲内のテストステロン補充に、グローミンを1回量0.3g(チューブから約2cm相当、テストステロンの投与量は約3mg)、朝晩2回の塗擦を推奨していますが、女性は男性が塗る場合の約10分の1、チューブから約2mm相当。グローミンを女性が使用する場合の1回量の目安は、概ね手芸に用いるビーズの大きさ程度と考えております。(福)

表記の報道で弊社との共同開発を記した記事がございますが、弊社は一切の関係がございませんので、ご案内申し上げます。

また、ダイト社との共同開発を記す記事もあることから、ご賢察のほど何卒お願い申し上げます。

なお、杏輝薬品(Sinphar)社とダイト社の共同開発について、弊社は全く存じ上げませんので、ご確認はダイト社へお願い申し上げます。


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