カレンダー

« 2012年4月123456789101112131415161718192021222324252627282930
【 概 要 】

  • 自殺企図のある男性はテストステロン値が低い。そうでない報告もあるが、概ね低い報告が多い。

  • 脳機能、気分、認知機能、攻撃性にテストステロンは深く関わっており、またこれらは自殺衝動に関わる。

  • 他人に対しての攻撃性と自己への攻撃性は、実質的に同じものである。

  • 臨床および疫学的観察では、自殺企図者は暴力犯罪者と性格に共通することが示唆される。

  • 攻撃性と自殺との間に関連性が観察される。

【 原 著 】

Testosterone and suicidal behavior.  [ PDF形式 Full Text ]

Expert Rev Neurother. 2012 Mar;12(3):257-9.

Leo Sher
James J Peters Veterans'Administration Medical Center, 130 West KingsbridgeRoad, Bronx, NY 10468, USA and Mount Sinai School of Medicine, NY, USA

【弊社コメント】
上記の事実を踏まえ、テストステロンが関与する精神状態をテストステロン補充療法で改善すれば、自殺衝動を防ぐ可能性がある、という論説です。ただし、テストステロンの補充による攻撃性の増加が、自殺行動自体の強化につながる懸念もあり、今後の検討が待たれます。(松)

テストステロンが生理的な正常範囲から逸脱し、「低過ぎ」あるいは「高過ぎ」いずれの状態にあっても攻撃性が問題になるのではないでしょうか?
そうであれば、テストステロンの過剰投与は人為的にコントロールできますが、ストレスやLOH症候群で低テストステロン状態にある場合や、大うつ病にある場合も、先ずは低過ぎるテストステロンの血中濃度が生理的な範囲となるように低用量のテストステロン補充をすることで、自殺行動の防止につながることが期待できると考えております。(福)

【 目的 】
 ビタミンD (25(OH)D)および遊離テストステロン(FT)の低値は共に死亡率の上昇と関連している。実験的研究は、ビタミンDおよびアンドロゲン代謝の複雑な相互作用が臨床的予後の悪化と関連する事を明らかにしている。
 高齢男性の大規模コホートにおけるFTおよび(25(OH)D)、両者の欠乏の影響を調査した。

【 方法 】
 対象はルーチン検査にて冠動脈造影(1997~2000)を行った男性2069例で、総テストステロン(TT)、SHBG および (25(OH)D)を測定した。

【 結果 】
  • 多変量調整分析の結果、全原因死亡、心血管疾患死亡および非血管疾患死亡のリスクは低FTおよび(25(OH)D)群で上昇していた。すなわち、4分位の最低群と最高位群のハザードリスク比は、FTで各々HR 1.26 [1.03-1.54], 1.24 [0.96-1.60], および 1.39 [1.00-1.93]、25(OH)Dで各々HR 1.77 [1.47-2.13], 1.65 [1.29-2.10], および 1.89 [1.38-2.60] であった。

  • TTと死亡率の間に独立した関連性はなかった。

  • 多変量調整HRはホルモンの欠乏数とともに上昇した。すなわち最低位4分位のホルモン数0 vs 2のHRは全原因死亡2.11 [1.60-2.79、心血管死亡1.77 [1.23-2.55] および非心血管疾患死亡2.33 [1.45-3.47] であった。
【 結論 】
 冠動脈造影を行った高齢男性において、遊離テストステロンおよびビタミンD両者の低下が致死的なイベントと関連していた。

【 原著 】
Clin Endocrinol (Oxf). 2012 Feb 22.
Combination of low free testosterone and low vitamin D predicts mortality in older men referred for coronary angiography.
Lerchbaum E, Pilz S, Boehm BO, Grammer TB, Obermayer-Pietsch B, Marz W.
Department of Internal Medicine, Division of Endocrinology and Metabolism, Medical University of Graz, Graz, Austria.


【 弊社コメント 】
「バランスの取れた食生活」「適度な運動・適度な日光浴」「規則正しい生活リズム」「ストレスの発散」という、健康的な生活習慣が、テストステロンやビタミンDの不足を防ぐ養生訓になりそうです。

テストステロンもビタミンDも、体内で産生する時の出発物質(原料)は、コレステロールですが、あくまで偏食や過剰なダイエットによってコレステロール不足に陥るのが問題であって、コレステロールを過剰に摂取しても弊害があることは皆様ご存知の通りです。善玉と言われるHDLなら摂りすぎても良いのでしょうが、肉食・洋食・ファーストフードで育った現代人にとって、低カロリーな和食メニューだけの日々・・・というのも、味気なくてストレスになるかも知れません。
ちなみにビタミンDは魚類の肝臓に多く含まれるとのことで、しらす干し、焼いた紅鮭、いわし、さんま、さば、など、これも和食の焼き魚メニューを連想します。まさに和食は健康的なメニューです。

なお、ビタミンDは日照不足・日光浴不足で欠乏症状に陥ることも良く知られていますが、これも極端な不足が問題なのであって、過剰な日光浴は皮膚に弊害がありますし、十分に日光を浴びている人はビタミンDが多いかと言えば、必ずしもそうではないようです。

何事も偏らずにバランス良く、ほどほどに・・・というのが、養生訓の真髄なのかも知れません。(福)

【 目的 】
 IVF(体外受精)の低レスポンダーの妊娠成功の可能性に対するアンドロゲン(男性ホルモン)あるいはアンドロゲン様薬剤の評価関するメタ解析を行った。

【 方法 】
 低レスポンダーに対して卵巣刺激前あるいは中にテストステロン、DHEA、アロマターゼ阻害剤、rLHおよびrhCGの無作為コントロール比較試験についてMedline, EMBASE, CENTRAL, Scopus および Web上の科学的データベースにて調査を行った。

【 結果 】
  • 163例の患者を対象とした2試験において、経皮テストステロンは妊娠[RD: +15%,95% CI +3 to +26%]および生存出生率(RD: +11%, 95% CI: +0.3 to +22%)の増加と関連していた。

  • DHEAには妊娠および生存出生率に有意な影響が見られかった。

  • 同様に (i) アロマターゼ阻害剤の使用、 (ii) rLH の付加、および、(iii) rhCG の付加は、妊娠率に有意な影響を示さなかった。

  • 提供されたデータにおいてのみ、rLHによる生存出生率の増加が認められた (RD:+19%, 95% CI:+1 to +36%)。

【 結論 】
限られたエビデンスではあるが、経皮テストステロンはIVFの低レスポンダーにおいて妊娠および生存出生率を増加する。rLH, hCG, DHEA あるいは letrozole 投与の有用性示すデータは不十分である。

【 原著 】
Hum Reprod Update. 2012 Feb 3.
The use of androgens or androgen-modulating agents in poor responders undergoing in vitro fertilization: a systematic review and meta-analysis.
Bosdou JK, Venetis CA, Kolibianakis EM, Toulis KA, Goulis DG, Zepiridis L, Tarlatzis BC.
Unit for Human Reproduction, 1st Department of Obstetrics and Gynecology, Medical School, Aristotle University of Thessaloniki, Greece.


【 弊社コメント 】
女性不妊治療において、排卵誘発などで治療に難渋しているケースがあるなか、海外では経皮吸収で低用量のテストステロンを投与することで良好な結果が報告されています。本邦においても、経皮吸収の低用量テストステロン製剤であるグローミンを用いた臨床応用が検討されています。不妊で切実な状況にある方々へ、そして、少子化問題が叫ばれる日本に、微力でもお役に立ちましたら幸甚に存じます(福)。

【 目的 】
 小規模の無作為比較試験によりビタミンD [25(OH)D]がテストステロンの産生を増加する事が示されている。これは動物実験および25(OH)Dとテストステロンのポジチブな関連性および両者の一致した季節変動を示す断面的観察研究により支持されている。

【 方法 】
 25(OH)Dレベルと遊離テストステロンの断面的関連性を調査した。対象はHealth Professionals Follow-up Studyに参加した1352例の男性である。

【 結果 】
  • 25(OH)Dは総および遊離テストステロン・レベルとポジチブに関連していた。

  • 25(OH)Dの最下位五分位から最上位の多変量調整平均値(95%CI)は総テストステロンが18.5(17.7; 19.4)、19.4(18.6; 20.2)、19.6(18.8; 20.4)、20.1(19.3; 20.9)、および 20.0(19.1; 20.8); p-trend=0.003、遊離テストステロンが97.7 (93.9; 101.5)、98.2 (94.1; 102.2)、 99.2(95.2; 103.2), 100.7(96.9; 104.5) および101.5(97.6; 105.4; p-trend=0.03)であった。

  • 25(OH)Dと総および遊離テストステロンの関連性を示す用量反応曲線の形状は25(OH)Dの低値(約 75-85 nmol/l以下)領域では直線的で高値領域でプラトーに達した。

  • 25(OH)Dと異なりテストステロン濃度には季節的変動が見られなかった。

【 結論 】
 本結果はこれまでに報告されているビタミンDとテストステロンのポジティブな関連性を支持するものであるが、平行した季節的変動パターンは認められなかった。

【 原著 】
Clin Endocrinol (Oxf). 2012 Jan 2. doi: 10.1111/j.1365-2265.2012.04332.x.
Association between plasma 25-OH vitamin D and testosterone levels in men.
Nimptsch K, Platz EA, Willett WC, Giovannucci E.
Departments of Nutrition Epidemiology, Harvard School of Public Health, Boston, MA, USA





【 目的 】
 テストステロン療法は正常下限のテストステロンレベルの高齢男性の非脂肪容量(LBM)を増加し、総脂肪容量(TFM)を減少する。しかし、テストステロン療法のメタボリックな影響が全体に良好なものか否かは課題である。我々は先に6カ月のテストステロン療法がインスリン感受性を改善しない事を報告した。今回、正常下限テストステロンの高齢男性において、部位的体脂肪分布およびアディポカイン、アディポネクチンに対するテストステロン療法の影響を検討した。

【 方法 】
デザイン:バイオアベイラブル・テストステロンが< 7.3 nmol/l および ウェスト周囲径> 94 cm、年齢60-78歳の男性38例を対象に6カ月のテストステロン療法(ゲル)を無作為、二重盲検、プラセボ比較試験にて行った。
 中心脂肪容量(CFM)および下肢脂肪容量(LEFM)をDXAにより測定した。皮下腹部脂肪組織(SAT)、内臓脂肪組織(VAT)および大腿部皮下脂肪面積(TFA)をMRIにより測定した。アディポネクチンを免疫蛍光法にて測定した。介入のプラセボ比較効果をCoefficients (b)にて表し
た。

【 結果 】
  • テストステロン療法中、LEFMは減少したが(b=-0.47 kg, p=0.07)、CFMには有意な変化が認められなかった(b=-0.66 kg, p=0.10)。

  • SAT(b=-3.0 %, p=0.018) およびTFA (b=-3.0 %, p<0.001) は減少したが、 VAT(b=1.0 %; p=0.54)は不変であった。

  • アディポネクチンはテストステロン療法中減少した(b=-1.3 mg/l, p=0.001)。

【 結論 】
 テストステロン療法は腹部および大腿部の皮下脂肪を減少するが内臓脂肪には有意に影響しない。さらにアディポネクチンは有意に減少する。

【 原著 】
Eur J Endocrinol. 2011 Dec 21.
Testosterone therapy decreased subcutaneous fat and adiponectin in ageing men.
Frederiksen L, Hojlund K, Hougaard DM, Mosbech TH, Larsen R, Flyvbjerg A, Frystyk J, Brixen K, Andersen M.
Frederiksen, Endocrinology, Odense University Hospital, Odense, Denmark.


【 弊社コメント 】
内臓脂肪を積極的に減らすためには、ダイエットや運動を併用しないと、テストステロンの補充だけで簡単には減らせないようです。しかしながら、運動療法にテストステロンの補充の併用は機序的に相乗効果が期待できるものと考えています。(福)

【タイトル】
テストステロン軟膏の塗布部位別血中濃度の検討

【原著】
日本性機能学会雑誌: 26 (3) 231-238, 2011

【著者】
関口由紀 (横浜元町女性医療クリニックLUNA)ら

【要旨】
 男性更年期障害およびLOH症候群に対する臨床的有効性が報告されているテストステロン軟膏(グローミン)の健康成人における塗布部位別血中濃度の検討 を行った。 その結果、テストステロンの吸収は髭剃り直後の顎下、陰嚢、および顎下で良好で、デコルテ、腋窩、前腕部、大腿部および下腹部では低かった。
 顎下部塗布での吸収は、これまでに臨床的有用性が確認されている陰嚢塗布時と大差がなかったことから、顎下部に10~11日の連続塗布を行ったところ、 生理学的範囲内で、臨床効果が期待できる血中濃度の上昇が認められた。 また、LH および FSH に及ぼす影響も極小で、内分泌学的影響は少なかった。 今後、同軟膏の顎下部位塗布でのLOH症候群に対する臨床的検討が望まれる。

【 目的 】
 RIAによる性ホルモンの測定には、女性の低濃度の範囲では精度と特異性に限界がある。そこで、質量分析法および分位点回帰法を用い、女性の性ホルモン(テストステロンおよびアンドロスタンディオン)の年齢別正常範囲の確立を行った。

【 方法 】
 Study of Health in Pomeraniaに登録された、年齢20~80歳の女性985例のデータを分析した。分位点回帰モデルは年齢別の性ホルモン濃度2.5th および 97.5thパーセンタイルを計算することにより行った。総テストステロン(TT)およびアンドロスタンディオン(AD)は液体クロマト-タンデム質量分析法により測定した。SHBGおよびTTより遊離テストステロン(FT)濃度を計算した。

【 結果 】
  • TT、ADおよびFTは10歳台毎のグループで明らかに年齢に比例して低下した(oneway ANOVA P < 0.001)。

  • 正常範囲は全体および10歳毎の年齢別に求めた。

  • 20~80歳全体の正常範囲はTTが0.35~1.97 nmol/L (10.1~56.8/ng/dL)、ADが0.89~4.56nmol/L (25.5~130.6ng/dL)およびFTが0.0025~0.0253 nmol/L (0.072~0.73ng/dL、0.72~7.3pg/mL)であった。

  •  閉経前および閉経後、経口避妊薬あるいはホルモン療法使用者の正常範囲も求めた。

【 結論 】
質量分析法および分位点回帰法を用い女性のテストステロンおよびアンドロスタンディオンの正常範囲の確立を試みた最初の報告である。これらホルモン濃度は年齢に強く依存する。

【 原著 】
J Clin Endocrinol Metab. 2011 Dec 7.
Age-Specific Reference Ranges for Serum Testosterone and Androstenedione Concentrations in Women Measured by Liquid Chromatography-Tandem Mass Spectrometry.
Haring R, Hannemann A, John U, Radke D, Nauck M, Wallaschofski H, Owen L, Adaway J, Keevil BG, Brabant G.
Institute of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine, University Hospital South Manchester,  United Kingdom.


【 弊社コメント 】
値は、これまでの報告と大差ありません。(野)

【 要旨 】
 低2D:4D比(弊社注釈:2Dは人差し指、4Dは薬指)および左手に対する右手の2D:4D(right-left 2D:4D)の低値は、テストステロンの子宮内濃度の高値によるものであり、攻撃性およびランニングやラグビー等のスポーツ能力のような男性の特性と関連している。
 低right-left 2D:4Dは、アンドロゲン受容体遺伝子のCAG数によって決定されるテストステロンに対する感受性にも関連している。
 今回、10代の少年において、低right-left 2D:4Dは高最大酸素摂取量、高最大酸素摂取速度および高最大乳酸濃度と関連している事が明らかになった。
 低right-left 2D:4Dは幾つかのスポーツ能力と関連している。その原因は、それが胎内でのテストステロン濃度を示すものであり、また血中テストステロンおよび高最大酸素摂取量によるものでもある。

【 原著 】
J Sports Sci. 2011 Dec 6.
Right-left digit ratio (2D:4D) and maximal oxygen uptake.
Hill R, Simpson B, Manning J, Kilduff L.
HP Sports and YSC Sports , Philadelphia , Pennsylvania , USA.



【 目 的 】
 メタボリックシンドローム(MS)は、しばしばBPH/LUTS と関連している。これらの共通の疾患として性腺機能低下症がある。しかし、テストステロン補充は前立腺に対する副作用のため制限がある。
 そこで、MSに関連した前立腺の変化がT補充により防禦されるか否かを検討した。

【 方 法 】
 高脂肪食(HFD)で12週間飼育した雄性ラットをMSの動物モデルとして用いた。HFDウサギに対してテストステロンまたはファルセノイド受容体XアゴニストINT-747を投与した。正常食で飼育したウサギをコントロールとして用いた。

【 結 果 】
  • HFDウサギは性腺機能低下症を発現し、MS症状の全て、高脂血症、耐糖能低下、脂質異常、高血圧、内臓肥満を呈した。加えて前立腺の炎症を示した。

  • 免疫組織学的分析で、HFDによる前立腺の繊維化、低酸素血症および炎症の誘発が認められた。

  • HFDウサギの前立腺において、催炎症物質(IL-8, IL-6, IL-1β, TNFα)、Tリンパ球(CD4, CD8, Tbet, Gata3, ROR γt), マクロファージ(TLR2, TLR4, STAMP2), 好中球(lactoferrin), 炎症(COX2, RAGE), および fibrosis/myofibroblast activation(TGFβ, SM22-α, α-SMA, RhoA, ROCK1/ROCK2)に関わるマーカー のmRNAの発現が有意に上昇していた。

  • テストステロンはINT747と同様に幾つかのMS症状を防止したが、全てのHFDによる前立腺変化を正常化したのはテストステロンだけであった。

  • 興味あることに、テストステロンとエストラジオールの比は繊維化および炎症マーカーとの有意なネガティブな関連を示した。

【 結 論 】
 この結果は、テストステロンがBPH/LUTSの発現に繋がるメタボリック・シンドロームによる前立腺の繊維化、低酸素血症および炎症を防止することを示している。

【 原 著 】
J Endocrinol. 2011 Oct 18.
Testosterone protects from metabolic syndrome-associated prostate inflammation: an experimental study in rabbit.
Vignozzi L, Morelli A, Sarchielli E, Comeglio P, Filippi S, Cellai I, Maneschi E, Gacci M, Serni S, Carini M, Piccinni MP, Saad F, Adorini L, Vannelli GB, Maggi M.
L Vignozzi, Sexual Medicine and Andrology Unit, University of Florence, Florence, Italy.


【  弊社コメント 】
 テストステロンの多様な作用が動物実験レベルで機序的に解明されつつあります。(野)

 メタボリック・シンドロームが前立腺疾患の原因となる一方、テストステロンの補充が予防や回復に役立つ可能性が示唆されます。(福)

【 弊社注釈 】

Farnesoid X receptor (FXR)
胆汁酸を生理的リガンドとし、胆汁酸代謝制御に重要な役割を果たすと考えられている核内受容体型転写因子。 近年、胆汁酸トランスポーターの発現や肝細胞における胆汁酸合成調節(律速酵素Cyp7α1)に関与していることが明らかにされており、FXRの胆汁うっ滞性疾患への関与やFXR分子機構に基づく創薬の可能性が注目されている。

INT-747
胆汁酸をリガンドとする核内レセプターであるFXR(Farnesoid X receptor)への作動薬(*3)であり、肝臓内での胆汁酸増加に伴う細胞毒性や肝線維化に対する治療効果が期待されます。Intercept 社は本剤を、PBC の適応取得を目指して欧米で第Ⅲ相臨床試験準備中であり、世界初のNASH の適応取得を目指して米国で後期第Ⅱ相臨床試験をこのほど開始しました。また、門脈圧亢進症については米国で第Ⅱ相臨床試験準備中の段階にあります。なお、NASH に対する後期第Ⅱ相臨床試験は、米国NIH(米国国立衛生研究所)によって実施中です。

学会名称:第26回 日本女性医学会 学術集会
開催日(発表日):2011年11月12日~13日
開催場所:神戸国際会議場 (神戸市中央区港島中町6丁目9-1)

PS-02 (ポスター発表)

Estradiol含有クリーム製剤の萎縮性膣・外陰炎に対する効果 -長期投与の影響-

御茶ノ水・浜田病院 産婦人科 (1), 東京大学医学部 産婦人科 (2), 帝京大学医学部 産婦人科(3)
合阪 幸三(1), 兵藤 博恵(1), 平池 春子(1), 生月 弓子(1), 小畑 清一郎(1), 宮本 雄一郎(2), 平池 修(2), 兵藤 博信(2), 森 宏之(3)

【 目的 】
 全身的なホルモン補充療法を希望しない萎縮性膣・外陰炎の症例に対してestrogen含有クリーム製剤を1年間継続投与して、その臨床効果および血中estradiol値の動態について検討を加えた。

【 方法 】
 研究施行前にプロトコールを公開し院内の倫理委員会に諮り許可を得た。 対象症例にも十分なインフォームドコンセントを行い、同意を得た。 萎縮性膣・外陰炎と診断された患者20例(平均年齢:66.4±4.1歳)を対象とした。 これらの症例に対して、estrogen含有クリーム製剤(バストミンTM,1g中にestradiol 0.6mg, ethinyl estradiol 0.2mg を含有するクリーム製剤、大東製薬工業社製)を、就寝前に1日1回、0.1g外陰部に患者自身で塗布させ、臨床症状の改善度について評価した。 外陰部のかゆみ、乾燥度については、0~3(0:症状無し、1:軽度症状あり、2:中等度症状あり、3:強い症状あり)の4段階に分けて評価し、各薬剤投与前後で評価した。投与前、投与1年後に採血し、血中estradiol値を測定した。

【 成績 】
 Estrogen含有クリーム製剤の投与により、投与前後でそれぞれ、外陰部のかゆみ(2.76±0.5→0.30±0.46)、乾燥度(2.81±0.40→0.27±0.45)は、いずれも有意に改善した(p<0.001)。 一方、血中のestradiol値は、薬剤投与前は全て測定感度(10pg/ml)以下であったが、投与1年後でも13.87±3.76pg/mlとごく軽度の上昇に留まった。

【 結論 】
 萎縮性膣・外陰炎に対するestrogen含有クリーム製剤の有用性および安全性が明らかとなった。